投資のプロは「悪材料で買い」「好材料で売る」
「買い」と「売り」、どちらのタイミングでも、参考にする情報、判断の根拠にする材料(情報)の選別が大切です。みなさんは材料(情報)を新聞やテレビ、各種メディアから得ていると思います。無数の情報のなかから何を選ぶか、何を選んで参考にするか。その判断基準が投資の成否に大きく影響します。
そこで決め手となるのが、買い材料(情報)、売り材料(情報)の選別です。買い材料はいい情報で、「買い」の根拠。売り材料は悪い情報で、「売り」の根拠となる。
ただし投資のプロは、悪材料で買い、好材料で売るという方法で成功することが多いのです。逆張りは基本的な投資手法ですが、一般の投資家には「言うは易く行うに難し」でしょう。
悪材料で買い、好材料で売るとは、たとえば戦争で相場が値崩れし、下落トレンドのとき、有力株も同調下落して超安値となったところに買いを入れるのです。戦乱で仮に停戦合意が成立したならば、これは材料としては「売り」。好感していったん上がってもその後調整して下がるためです。
また「停戦しそうだ」という前情報で株価はいったん上げますが、停戦交渉が難航、延期、あるいは失敗すれば再び下げます。日経平均もダウもナスダックもこれは同じ。有事の際はそれを繰り返します。
波高き相場では全力投球しない。「休むも相場」…
現在のような波乱含みの相場は、波高き相場です。上がったり下がったりの繰り返しで投資家は揺さぶられっぱなし。
私は個人投資家のみなさんには、波高き相場では全力投球で投資しないよう、講演会などで注意を促しています。相場の格言にあるように、「休むも相場」だからです。
腕とお金に自信のある人は波乱相場でもチャレンジしていいでしょう。投資の上級者は、波乱相場は株価が動くので、利幅を取りやすいことを経験から熟知しています。つまり上級者は、悪材料で買って好材料で売れる人なのです。だから儲けることもできる。
菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社 代表取締役社長