株価チャートの頻出パターン「ダブルトップ」「ダブルボトム」を専門家が解説

大金を失う投資家がいる一方、資産倍増、3倍増に成功する投資家がいます。「先読みができる人とできない人の差」は何か? 成功する投資家はどこを見ているのか? 投資のなかでも特に株式投資について「不動産投資、暗号資産などに比べ、少ない労力でリターンを得やすい」と指摘するストラテジストの菅下清廣氏が、優良株を見極めるポイントについて解説します。

相場において「天井」は点(一時的)、底は面(時間がかかる)

相場の世界には、『「天井」は点』という格言があります。「天井」をつけるときは点、ドットになる。つまり、「天井」をつける時間はとても短いということ。逆に、「底は面」という格言があります。点は短い(一時的)ですが、面は横に長い(時間がかかる)。つまり、底の時間が長いことを表わしています。

 

上昇トレンドで上がり続けた株も、「天井」に近づくと動きが鈍くなり、そのうち一気に下げる局面を迎えます。「天井」になってからドンと落ちるまでに、時間はとても短いことが多いのです。

 

また下降トレンドで徐々に下がって、いよいよ底入れかという場面でもなかなか上昇しません。下がって底入れしたと思っても、そのまま横ばいになる時間が長い。面のように横に長いのです。

 

そしてようやく底入れ。「もう底入れした」と読むにはダブルボトム(価格の波動)などが参考になります。1度下げてまた上がり、また下げる、2度目の下げの後にはじめて上がっていく場合が多い。

 

そのため、株価の時間の波動は何を読むのかと言えば、基本的には、山(天井)から谷(底)までを読む谷(底)から山(天井)までを読むこの2種類のそれぞれの期間を読むことになります。

 

相場が上昇を開始したら、いつごろ天井(山)を打つだろうかと先を読む。そして天井(山)を打ったならば、いつごろ底入れするだろうかと先を読む。

 

底入れしたならば、この底値形成にはどのぐらい時間がかかるだろうか。谷から谷までの時間はどれくらいかかるかだろうか。再び上昇をはじめるのはいつだろうか。株価は下がれば必ずまた上がります。下がったままで動かない株はありません。だから上がりはじめる時期を読むのです。

典型的な「天井」のサイン

時間の波動は、大きく分ければ以下の3つしかありません。上昇・下降・横ばいこの3つの時間サイクルを読めば、誰でも投資の初級者からひとつ上のレベルへ行くことができます。逆に言えばプロの投資家なら、最低この3つの波動は常識になっています。

 

ダブルトップとは山がひとつでき、しばらくして2番目の山ができること。この2つの山がダブルトップ。最初の山が一番「天井」、次の山が二番「天井」です。「天井」を打つ場合は、山ひとつだけでなく2つできる場合が多いということを、必ず覚えておいてください。

 

2度、山ができることで「天井」近しと読めます。山が3つできるトリプルトップもありますが、確率的にはダブルトップで「天井」を示唆する場合が多いでしょう。

 

[図表1]

典型的な「底入れ」のサイン

逆に株価が下降して、谷がひとつでき、しばらくして2つ目の谷ができるのがダブルボトムです。「底入れ」を意味し、上昇への転換点になる場面です。図表2を見てください。

 

株価は、1回の下落だけでは底入れしません。2回目の下落を経てはじめて底入れするのがセオリーです。1回目の底を一番底、2回目の底を二番底と呼びます。2度、谷ができることで「底入れ近し」と読めるのです。谷が3つできるトリプルボトムもありますが、確率的にはダブルボトムで底入れを示唆する場合が多いでしょう。

 

[図表2]

 

菅下 清廣

スガシタパートナーズ株式会社 代表取締役社長

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    スガシタパートナーズ株式会社 代表取締役社長
    学校法人立命館 顧問
    近畿大学世界経済研究所 客員教授

    投資家、ストラテジスト(投資戦略家)。

    ウォール街での経験を生かした独自の視点で相場を先読みし、日本と世界経済の未来を次々と言い当ててきた「富のスペシャリスト」として名を馳せ、「経済の千里眼」との異名も持つ。経験と人脈と知識に裏打ちされた首尾一貫した主張にファンも多く、政財界はじめ各界に多くの信奉者を持っている。

    著書に、ベストセラーとなっている『今こそ「お金」の教養を身につけなさい』(PHP研究所)、『最速で最大の結果を出す! 2022年版投資家が選ぶ「成長株」50銘柄』(KADOKAWA)、『史上最大のスーパーバブル相場で「大化け株」をつかみなさい』(徳間書店)、最新刊の『株は波動が9割』(実務教育出版)など多数。

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    著者紹介

    連載株式市場の「先読み技術」を身につける方法

    ※ 本連載は、菅下 清廣氏の著書『資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!番外編 株は波動が9割』(実務教育出版)から一部を抜粋し、再構成したものです

    資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!番外編 株は波動が9割

    資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!番外編 株は波動が9割

    菅下 清廣

    実務教育出版

    大金を失う投資家もいる一方で、資産倍増、3倍増に成功する投資家もいる。いったいこの差は何なのか。それは「先読みができる人とできない人の差」である。暴落、暴騰でも慌てない。リスクを避け、確かな売買タイミングを見極…

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