大金を失う投資家がいる一方、資産倍増、3倍増に成功する投資家がいます。「先読みができる人とできない人の差」は何か? 成功する投資家はどこを見ているのか? 投資のなかでも特に株式投資について「不動産投資、暗号資産などに比べ、少ない労力でリターンを得やすい」と指摘するストラテジストの菅下清廣氏が、優良株を見極めるポイントについて解説します。

軍事大国でありながら経済小国であるロシア

ロシアは大国と思われがちですが、大国なのは軍事面だけ。軍事費はアメリカ、中国、インドに次いで世界4位の617億ドル(約7兆1000億円、2020年)ですが、GDP(国内総生産)世界ランキングは世界11位前後です。

 

韓国は10位なのでそれよりも経済規模が小さい。インド、ブラジル、イタリアよりも小さいのです。日本のGDPに比べれば4分の1程度しかありません。

 

国民ひとりあたりのGDPは1万115ドル(約120万円)で世界第66位。2021年の平均賃金は月額5万6,545ルーブル(2022年3月時点のレートで約5万5,000円)でしかない。いわば、ロシアは貧しい軍事大国なのです。北朝鮮と同じ構造といえるかもしれません。

ウクライナは「欧州のパンかご」小麦輸出量世界5位

貧しい軍事大国は貧しさを埋めるためにどうするか。軍事力で他国からモノを奪おうとします。ウクライナは「欧州のパンかご」とも呼ばれる肥沃な穀倉地帯(国土の7割)を有しています。

 

農林水産省が毎月発行している「食糧安全保障月報」の2022年1月号、農林水産政策研究所調査によると、ウクライナは小麦の生産量が2,600万トン(世界7位)、輸出量は1,800万トンで世界5位。大麦やトウモロコシも、世界有数の生産量と輸出量を誇っています。

 

ロシアと合わせれば世界の穀物輸出量で、小麦は約3割、トウモロコシは約2割を占める規模です。またウクライナは、ロシアから見るとクリミア半島と黒海につながる要路であり、地政学的にEUとの緩衝地帯に当たる要衝でもあります。

 

だからプーチン大統領は喉から手が出るほど元ソ連領土でもあるウクライナがほしかった。これまではアメリカとのパワーバランスで戦争に打って出られませんでしたが、アフガニスタン撤収時のバイデン大統領の政策を見て弱腰と判断できた。

 

「アメリカは戦争を回避したがっている。争わない。こちらが仕掛けても兵を送らないだろう」と読んでのウクライナ侵攻。実際、アメリカはロシアを力で抑えることができなかったわけです。

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※ 本連載は、菅下 清廣氏の著書『資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!番外編 株は波動が9割』(実務教育出版)から一部を抜粋し、再構成したものです

資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!番外編 株は波動が9割

資産はこの「黄金株」で殖やしなさい!番外編 株は波動が9割

菅下 清廣

実務教育出版

大金を失う投資家もいる一方で、資産倍増、3倍増に成功する投資家もいる。いったいこの差は何なのか。それは「先読みができる人とできない人の差」である。暴落、暴騰でも慌てない。リスクを避け、確かな売買タイミングを見極…

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