採用時点での問題
ここで、省みなければならないことがあります。それは、離職した社員が本当に自社に必要な人材であったか、つまり採用活動に問題はなかったか、しっかりと人選ができているのかということです。業界によっては本当に人材不足で、喉から手がでるほど人材が欲しいと話す経営者もいます。ただ、1度落ち着ていて考えてみて欲しいのです。あなたの会社では、下記のような採用をしていませんか。
「とにかく人が欲しいから、妥協しても採用をする」
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「妥協して獲得した人材なので仕事ができない。辞める」
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「組織の生産性が落ちる」
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「新たに採用活動をするが、いい人が集まらない」
本当は条件を満たしていないのに、その場しのぎで採用をしてしまうと、採用の失敗以上に手痛い目に遭うかもしれません。
離職の大きな原因は「迷い」
しっかりと欲しい人材を選んだとしても、もちろん入社後にも離職につながる不足は発生します。たとえば、育成計画や業務マニュアルが整っていないということです。
離職の大きな原因は迷いです。
「困ったときはなにを確認すればよいか」
「仕事はどのように進めればよいのか」
これらを明確にしておかなければ、社員に必ず迷いが発生します。離職が多い会社では、コミュニケーションという幻想でこの迷いを打ち消そうとしますが、それは間違いであり、大変に非効率な作業となってしまいます。
識学では新人が入社をすると、昇給までただひたすらテレアポを実施し、設定される目標は、1日、1週間、1ヵ月のテレアポの獲得件数のみ。このくらい「なにをすればよいか」はシンプルなほうが理想的です。私が研修部隊に所属していたときは、1日当たり2件のアポイントを獲得できていればなにをしていても咎められることはありませんでした。とはいえ、アポを獲得したあと、新人は皆同じことをします。会社について勉強するのです。
入社後は、昇給試験の合格を目指し、全力でアポ取りと勉強をします。試験に合格すれば晴れて昇給できます。これは入社前の採用面接のときから説明を受けていました。この説明を受けることで、私たちは目指すべきゴールを明確に理解することができ、迷いなく職務に集中できるのです。
目指すべき目標、到達する方法、日々の職務の果たし方、これらが明確になっているでしょうか。「採用したらあとは現場にお任せ」では人材が定着することはありません。
まとめ
本稿では離職防止について記述を致しました。簡素ですが下記にポイントをまとめました。
→目に見える待遇だけに注視することは危険です。
→離職の要因はさまざまです。特定しなければ策も誤ります。
→妥協した採用は逆効果になります。採用基準を明確化することが、離職防止にもつながります。
→育成方法に問題があることも多々あります。コミュニケーションという言葉で誤魔化さず、独り立ちできるまでの育成計画を用意しましょう。
常に不足に対する明確化を忘れないでください。
仲 悠将
株式会社識学
西日本営業部 名古屋支店 係長 シニアコンサルタント