(写真はイメージです/PIXTA)

近年、ハラスメントの法的整備が進むなか、パワハラに関する裁判事案が増えています。パワハラに関する裁判では、直接の加害者のみならず、会社が責任を問われる事例も少なくありません。そこで、Authense法律事務所の西尾公伸弁護士が4つの具体的な裁判事例とともに、パワハラの定義と社内で発生した際の対処法を解説します。

社内でパワハラが起きたら「弁護士へ相談」

万が一社内でパワハラが起きてしまったら、早期に弁護士へ相談することをおすすめします。その主な理由は、次のとおりです。

 

初期の対応を誤らないため

パワハラの相談を受けた際には、その初期の対応が重要となることが少なくありません。

 

たとえば、パワハラ被害を訴えた被害者を、被害者の望まない部署へ異動させるなどすれば、会社側の責任が問われる可能性が高まるなど、問題を大きくすることにもなりかねないでしょう。

 

早期に弁護士へ相談することにより、初動を誤ってしまう可能性を下げることが可能となります。

 

相手との代理交渉などを任せられるため

早期に弁護士へ相談することで、パワハラ加害者や被害者と会社が面談をする際に、弁護士に同席してもらうなどの対応が可能となります。

 

また、会社の責任などが問題とされている場合などには、弁護士に代理で相手方と交渉をしてもらうことも可能です。

 

パワハラが裁判となった場合に速やかに対応ができるため

弁護士が相手と対峙する際には、後の裁判までを見越していることが一般的です。

 

そのため、パワハラが裁判にまで発展してしまった場合であっても、スムーズな対応が可能となります。

 

加害者への懲戒処分について適切な対応方法が相談できるため

社内でパワハラが起きた場合には、パワハラを行った加害者の懲戒処分についても検討しなければなりません。

 

しかし、仮に加害者が行ったパワハラに対して重過ぎる処分を課してしまえば、加害者側から懲戒処分の無効や損害賠償請求をされてしまうリスクがあります。行ったパワハラに比して会社のみで適切な処分を検討することは容易ではありませんので、弁護士へ相談しながら検討するとよいでしょう。

 

まとめ

パワハラに関する裁判では、会社が実際に法的責任などを問われたケースが数多く存在します。なかでも、使用者責任は、会社がパワハラに直接加担していなかったとしても問われる可能性がある責任ですので、よく注意しておきましょう。

 

このような場合に備えて、顧問弁護士と契約しておき、日ごろからコミュニケーションなどをとり、会社の内情を知っておいてもらうことも重要です。

 

 

西尾 公伸

Authense法律事務所

弁護士
 

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本記事はAuthense企業法務のブログ・コラムを転載したものです。

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