(写真はイメージです/PIXTA)

住宅ローンの残債がある家を相続した場合、どうすればよいのでしょうか? 相続に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士が詳しく解説します。

住宅ローンの返済ができる「団信」とは?

被相続人が残した借金が住宅ローンである場合には、団信の契約があることが少なくありません。 団信の契約があれば、団信から支払われた死亡保険金で住宅ローンの残債が返済されるため、相続人が身銭を切って住宅ローンを支払っていく必要はなくなります。 では、団信について詳しく解説していきましょう。

 

「団信」とは

団信は、正式名称を「団体信用生命保険」といいます。 団信とは、住宅ローンの返済中に加入者が死亡したり一定の障害状態となったりした場合に、保険金によって残りの住宅ローンが弁済される保障制度です。

 

被相続人が団信に加入してさえいれば、死亡の時点で団信から住宅ローンの全額が返済されるため、以後は相続人が住宅ローンの返済をしていく必要はなくなります。

 

住宅ローンであれば団信の契約をしている場合が大半ですが、団信の加入には年齢制限など一定の条件があるため、加入していない可能性もゼロではありません。

団信契約の有無の確認方法

被相続人が団信に加入していたかどうかを確認する主な方法は次のとおりです。

 

■住宅ローン借入れ先の金融機関へ確認する

もっとも簡単で確実な方法は、住宅ローンの借入れ先である金融機関へ問い合わせることです。相続人であることが確認できることを条件に電話などで回答してもらえる場合もありますが、窓口で死亡の事実や被相続人との関係がわかる戸籍謄本などの提示が求められる場合もあります。

 

なお、借入れ先の金融機関がどこであったのかわからない場合には、住宅ローンの対象となっている家や土地の全部事項証明書の抵当権者の欄で確認することが可能です。家や土地の全部事項証明書は、全国どこの法務局からでも取得することができます。

 

ただし、金融機関の統合などによって全部事項証明書に記載された名称から変わっている可能性もあります。その場合には、インターネットなどで現在どこの金融機関となっているのかを確認するとよいでしょう。また、被相続人が毎月の住宅ローンの引き落としに使用していた銀行口座の通帳印字から確認ができる場合もあります。

 

■契約時の書面を確認する

団信の契約がある場合には、住宅ローンの借入れ時に契約書面が交付されているはずです。 お手元に住宅ローンに関する書類がある場合には、その契約書を見ることで加入状況を確認できます。

 

■住宅金融支援機構のコールセンターで確認する

団信の加入状況については、住宅金融支援機構のコールセンターで確認することが可能です。 なんらかの理由で借入れ先の金融機関へ確認することがためらわれる場合や、借入れ先の金融機関がわからない場合などは、こちらで確認するとよいでしょう。

 

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