対価に見合うサービスを提供する管理会社は少ない
通常は100世帯程度のマンションであれば、年額でおよそ1000万円程度の管理委託費を管理会社に支払っています。これが築10年のマンションなら、累計で1億円の委託費用に達します。
しかし、このように年間1000万円も支払っているにもかかわらず、管理組合や区分所有者が受け取る対価は、管理会社のお仕着せのサービスがほとんどなのです。
たとえば、管理員さんや清掃員さんは、採用のしやすさから平日の勤務が中心だったり、定期清掃の回数も、エレベータ点検の回数も、実際にはもっと少ない頻度で十分なのに、管理会社が提示した回数になっていたりと、いずれもサービスを提供する側の都合のいいように決められています。
居住者の「意識改革」こそがマンション管理の第一歩
こんなサプライヤー主導のサービスに対して、毎年1000万円ずつきちんと支払っているわけで、筆者たちコンサルタントから見ると、「ムリ・ムラ・ムダ」が非常に多くあるというのが実態なのです。
マンション管理の主体はあくまでも区分所有者、いい換えれば居住者全員です。マンションに住んでいる以上、マンション管理からは逃げることも隠れることもできないのです。
ですから、「忙しいから」とか「興味がないから」などといって敬遠せず、まずは積極的に関心を持つことから始めていただきたいと思います。居住者の意識改革こそが、マンション管理の第一歩となるのです。
イラスト=田中マコト