(※写真はイメージです/PIXTA)

受験勉強ではライバルが見えないとやる気も湧かないし、勉強をする気にもならないものです。それでも「自称進学校」で学ぶ生徒は、日本中の見えない敵を相手に日々研鑽を重ねていたといいます。9浪して27歳で早稲田大学に合格した濱井正吾氏が著書『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

見えない敵を相手に日々研鑽を重ねた

彼に合格できた要因を聞いてみました。

 

すると、何にでも興味を持ち、自分が楽しめるやり方を探しながら勉強をしていたからだという答えが返ってきました。

 

彼はこう言います。

 

「周囲に相談できる人も切磋琢磨できる人もいませんでした。だからこそ、半分趣味のように授業中に参考書を読んで知識を得て、世界を広げていきました」

 

例えば、英語であれば単語の語源を積極的に調べたり、イディオムを単語の持つイメージから日本語訳ができるか試して正しいイメージを刷り込んだりしていたそうです。

 

他にも、散歩をしながら化学の資料を読んだり、授業中のノートもきれいな字を書けるように楽しんで取ったりしていたそうで、純粋な知的好奇心を満たすために試行錯誤を絶えず繰り返していたと言います。

 

また、彼はモチベーションの管理も徹底していました。

 

「身近な人と比較ができないから常に仮想の敵を想定して勉強していました。ペース配分に関しては、息切れしないように、根を詰めすぎないようにバランスを考えていました」

 

敵が見えないとやる気も湧かないし、勉強をする気にもならないものです。それでも彼は、自分が学校でぶっちぎりの一番だということに胡座をかかず、日本中の見えない敵を相手に日々研鑽を重ねていたのです。

 

「もし地方の高校生で敵を設定するイメージが湧きにくい人がいれば、都会で行われる模試に1回行ってみるとよいかもしれません。想像がつかなかった都会の進学校の人たちに間近で触れることで、解像度が上がり、明確になります」

「自分が今いる環境だと敵が見えないなら、自分で確認してみよう」

 

そうした知への渇望、知的探究心が彼の合格を支えたのだと思います。勉強面でも、それ以外の外的要因でも、大きな不利があるなら自分なりに工夫する。この姿勢が大事なのかもしれませんね。

 

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本連載は濱井正吾氏の著書『浪人回避大全 「志望校に落ちない受験生」になるためにやってはいけないこと』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

浪人回避大全

浪人回避大全

濱井 正吾

日本能率協会マネジメントセンター

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