(※写真はイメージです/PIXTA)

人生には、予想もしなかった出来事が起こります。もし、頼りにしている大黒柱の夫が亡くなったら、残された妻子はどうすればいいのでしょうか。この場合、心配しなくてもいいお金と、万一を考えて準備しておくべきお金があります。自身もFP資格を持つ、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

世帯主の夫が逝去…心配不要なお金・準備すべきお金

ここでは、遺族生活保障と、ライフプランニングの作り方について見ていきましょう。必要保障額は「将来の支出合計」から「将来の収入合計」を差し引き、不足額を計算・算出します。

 

 

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①遺族生活資金の「必要保障額」についての考え方

世帯主である夫が死亡してしまった場合、遺族には遺族年金以外の収入がなくなり、生活できなくなってしまいます。そこで、生命保険によって遺族の生活費をまかなうことを考えることになります。これが必要保障額の考え方です。

 

遺族の生活費は、子どもが独立するまでの生活費や教育費と、妻の生涯の生活費を合計した金額です。したがって、遺族のための必要保障額は、子どもが誕生したときに最大となり、子どもの成長とともに減少します。

 

ただし、配偶者が働いている場合は、配偶者の将来の収入も見込まれますし、配偶者が65歳になると、老齢基礎年金と老齢厚生年金が収入として見込まれます。

 

なお、団体信用生命保険に加入している場合、住宅ローン残高分は保険から返済されるため、必要保障額を算出する際は考慮する必要はありません。

 

以上のことから、必要保障額の計算は、将来の支出の合計額から、将来の収入の合計額と現時点での貯蓄残高を差し引いて計算します。

 

すなわち、「子どもが22歳になるまでの生活費の合計額」に、「子どもが22歳になった時点から配偶者が死ぬまでに必要な配偶者の生活費の合計額」を加算し、そこから「遺族年金と老齢年金の支給総額」と「現時点での貯蓄残高」を差し引いて計算することになります。

 

【必要保障額】

 

「子どもが22歳になるまでの生活費の合計」

   +

「子どもが22歳になった時から配偶者が死ぬまでの生活費合計」

   -

「遺族年金と老齢年金の支給総額」

   -

「現時点での貯蓄残高」

 

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【遺族保障額】遺族である子供と妻の生活費はいくら必要になるか

 

今後の必要資金とその不足額を明確化

ファイナンシャル・プランナーは、「ライフイベント表」「キャッシュ・フロー表」「個人バランスシート」の3つを作成後、提案書を作成して、顧客へ提示します。それにならい、現状とライフイベントなどの情報から必要資金とその不足額を明確化し、それを解決する具体的な方法を取ることになります。

 

一般的に、「住宅の取得」「子どもの教育」「豊かな老後生活」を実現するには、一時的な大きな支出が予想されます。

 

その支出に備えるため、長期かつ継続的に、資金をコツコツと貯蓄することが必要となります。

 

貯蓄のペースが遅れているのであれば、毎年の支出をへらすよう、家計の改善を検討することが必要です。

 

すでに、自分が死亡した場合の遺族への保障について設計ずみであり、老後の生活費をまかなうために貯蓄しておくべき金額を算出・対策できているケース、また、多額の相続財産が予想されて老後資金に不安がない場合などは、守りの対応ではなく、積極的な対応として、不動産の活用や相続対策などを視野に入れることになります。

 

その場合もFP等に相談することで、さらに具体的なマネープランがわかるようになります。

 

 

岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

 

 

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