先の見えない毎日に不安なら「ライフプランニング」で具体的な人生の航海図を描いてみる (※写真はイメージです/PIXTA)

人生には決断を迫られるさまざまな局面があります。就職、結婚、子育て、マイホーム購入、転職、独立、そして老後の資産形成…。考えると思わずパニックになりそうですが、そこは落ち着いて、FPが行っている「ライフプランニング」を自身でも試してみましょう。状況を整理すれば、やるべきことが明確に見えてきます。自身もFP資格を持つ、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

人生に必要な「ライフプランニング」「マネープラン」

人はそれぞれ、結婚や子育て、住居、老後の暮らしなどについて独自の価値観をもち、それにもとづいて毎日を送っています。

 

このような自分の価値観にもとづく生き方のことを「ライフデザイン」といいます。

 

このライフデザインにもとづいて具体的な生涯の生活設計を立案することを「ライフプランニング」といいます。

 

そして、立案したライフプランを実現するためには、それに必要なお金を準備すること、すなわち、「マネープラン」が必要になるのです。

 

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ライフプランニングは、どんな手順・手法で作成する?

マネープランを作るには、就職や結婚、住宅の取得などのライフイベントに対応した資金ニーズを把握することが必要です。

 

ファイナンシャル・プランナーが顧客にライフプランニングを行う場合にならって、その方法を見ていきましょう。

 

まず、顧客の生活設計と現在の資産状況などについて情報収集を行い、「ライフイベントとその資金ニーズを明確化」します。

 

次に、顧客のライフプランにおいて「不足する資金を計算」し、その不足を解消するため、「資産運用や家計の見直しなどの提案」を行います。

 

もちろん、ライフプランを立案するだけでなく、その実行をサポートし、その後は毎年、定期的なフォローを行います。

 

①「ライフイベント表」を作成する 

ライフイベント表とは、顧客とその家族の将来のライフイベントを時系列に並べたものです。結婚、子どもの進学、住宅取得、退職など、重要なイベントを予想します。

 

ライフイベント表の作成は、ファイナンシャル・プランナーの重要な仕事の一つなのです。

 

②「キャッシュ・フロー表」を作成する 

ライフイベントを実行するためには、資金が必要です。そこで、キャッシュ・フロー表を作成し、必要な金額を予想します。

 

キャッシュ・フロー表とは、現在の収支状況や今後のライフプランをもとに、将来の収入と支出、および貯蓄残高を予想した表です。

 

キャッシュ・フロー表を作成することで、現時点で運用を開始した資金がいくらへ増えるのか、それが老後資金として十分な金額になっているのか、個人のマネープランを考えることができます。

 

キャッシュ・フロー表では、顧客の収入と支出を把握します。

 

【手順1】収入を把握する(手取りで計算)

 

ここでの収入は年収ではなく、実際に使うことができる可処分所得によって把握します。可処分所得は、年収から所得税と住民税および社会保険料を差し引いた後の金額です。

 

可処分所得 = 年収 -(所得税・住民税 + 社会保険料)

 

【手順2】支出を把握・想定する(ランニングコストと将来の出費)

 

支出として、食費・光熱費などの生活費、家賃・ローン返済などの住居費、学費などの教育費を把握します。

 

わが国の物価水準は、ほとんど上がっておらず、デフレ経済と呼ばれる状況にはありますが、キャッシュ・フロー表に記入する支出額は、インフレを前提とした将来価値で表すのが一般的です。

 

すなわち、現在の金額に(1プラス変動率)を経過年数分乗じて将来価値を計算します。

 

将来価値(支出額) = 現在の金額 × (1 + 変動率/100)経過年数

 

【例】 現在の金額:100万円   変動率:+0.5%   経過年数:30年

 

仮に上記の場合で計算すると、

 

将来価値 = 1,000,000円 ✕ (1 + 0.005)30 = 1,161,400円

 

となります。今回の条件で30年間の物価上昇を見越しておくと、「1,161,400円の余裕を持つ必要がある」ということが事前にわかります。

 

支出のなかでも金額が大きいのが、教育資金、住宅取得資金、老後資金の3つで、これらは「人生の3大資金」といわれています。

 

【手順3】年間収支の計算(貯蓄と資産運用)

 

年間の可処分所得から年間支出合計額を差し引くと、その年間収支が計算されます。

 

収支がプラスのときは貯蓄するものとし、マイナスのときは貯蓄を取り崩すものと考えましょう。なお、貯蓄は、金融商品で運用していることを想定しましょう。

 

そのような資産運用の成果として、利息や配当、値上がり益が発生し、貯蓄から金融収益が発生します。

 

したがって、前年度の貯蓄残高に、今年の年間収支と金融収益を加算または減算した金額によって、今年の貯蓄残高を計算することができます。

 

③個人の「バランスシート」を作成する

次に、家計バランスシートを作成します。これは、個人の資産と負債を並べて計上した貸借対照表のことをいいます。

 

バランスシートは、左側に資産を時価で計上し、右側に負債の残高を計上します。

 

そして、資産から負債を差し引いた純資産を計上します。

 

この純資産が、正味の財産ということになります。

 

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まとめ

FPが顧客から相談を受けた際に行う「ライフプランニング」が果たす役割と、作成の手法を紹介しました。「ライフイベント表」「キャッシュ・フロー表」「家計バランスシート」の3つを作成し、今後の人生を俯瞰するとともに、必要な費用を洗い出していきましょう。

 

 

岸田 康雄
国際公認投資アナリスト/一級ファイナンシャル・プランニング技能士/公認会計士/税理士/中小企業診断士

 

 

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    公認会計士/税理士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

    平成28年度経済産業省中小企業庁「事業承継ガイドライン委員会」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事。
    一橋大学大学院修了。中央青山監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルスマネジメント営業部、みずほ証券投資銀行部M&Aアドバイザリーグループ、メリルリンチ日本証券プリンシパル・インベストメント部不動産投資グループなどに在籍し、中小企業の事業承継から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継とM&A実務を遂行した。現在は、相続税申告と相続・事業承継コンサルティング業務を提供している。

    WEBサイト https://kinyu-chukai.com/

    著者紹介

    連載ベテラン公認会計士が解説! ファイナンシャル・プランニングと資金計画の極意

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