物事を分解できるかが非常に大事になる
■「自分の頭で考えろ!」ってどういうこと?
「そんなこと、自分の頭で考えろ!」
そう言われた経験、みなさんはありませんか? 学生の方であれば両親や学校の先生、塾の講師、あるいは大学の教授などから、そして社会人の方であれば上司や先輩などから、あらゆるシチュエーションでよく耳にする言葉なのではないでしょうか。
さらに昨今の世の中では、「AI(人工知能)」技術の発達にともない、単純作業が機械によって行えるようになってきたことで、人間の「自分自身で思考する能力」がより重要視されてきています。一言で言うと、「自分の頭で考える力」がとても大事になってきているのです。
この「自分の頭で考えろ!」に対して、このように答える人、考える人をよく見かけます。
「自分の頭で考えろと言われても、頭の良くない自分にはそんなことできないよ」
「賢い人にしかそんなことできないんじゃないの? 自分にはそんな能力はないよ」
こう思った人、安心してください。実は、この「自分の頭で考える力」はみんな必ず持っているものなのです。その力を発揮できる人と、発揮できない人がいるだけなのです。
では、この「自分の頭で考える」ことができる人とできない人では、何が違うのでしょうか? 答えは簡単です。自分の頭で考えるというポイントまで物事を分解、分析、整理できているかどうかです。
物事を分解することは何事においても非常に大事です。
例えば、急に今「エベレストに登ってください」と言われたとして、みなさんはどう思いますか? おそらく多くの人が、「いや、そんなことできるわけないでしょ」と答えると思います。エベレスト登山は、登山経験者でもかなり険しい挑戦なのですから、そう思うのは当然でしょう。
しかし、この「エベレストに登る」という挑戦を、「トレーニングをして体力をつける→登山靴やウェアなどのグッズをそろえる→標高の低い山を登って登山の練習をする→入念に体のケアをする」というように細かく分解をしていくとどうでしょうか? 少しずつ現実味が出てきたのではないでしょうか?
逆に言えば、ここまで分解して初めて、「どのようなトレーニングをしようか」「インストラクターに教えてもらおうか」「どんな靴やウェアを買おうか」「まずどのくらいの高さの山で練習しようか」という風に、「自分の頭で考える」ポイントが出てくるのです。最初の、「エベレストに登る」という挑戦をそのまま考えていたら、自分の頭で考えることがまず存在していないのです。