(※写真はイメージです/PIXTA)

思考とは、知識を覚えることではありません。知識や事象を疑って、しっかりとその背景を理解することです。これをどんなふうに身につけるのか、そこには考え方の「型」があります。現役の東大生の永田耕作氏が著書『東大生の考え型 「まとまらない考え」に道筋が見える』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

物事を分解できるかが非常に大事になる

■「自分の頭で考えろ!」ってどういうこと?

 

「そんなこと、自分の頭で考えろ!」

 

そう言われた経験、みなさんはありませんか? 学生の方であれば両親や学校の先生、塾の講師、あるいは大学の教授などから、そして社会人の方であれば上司や先輩などから、あらゆるシチュエーションでよく耳にする言葉なのではないでしょうか。

 

さらに昨今の世の中では、「AI(人工知能)」技術の発達にともない、単純作業が機械によって行えるようになってきたことで、人間の「自分自身で思考する能力」がより重要視されてきています。一言で言うと、「自分の頭で考える力」がとても大事になってきているのです。

 

この「自分の頭で考えろ!」に対して、このように答える人、考える人をよく見かけます。

 

「自分の頭で考えろと言われても、頭の良くない自分にはそんなことできないよ」
「賢い人にしかそんなことできないんじゃないの? 自分にはそんな能力はないよ」

 

こう思った人、安心してください。実は、この「自分の頭で考える力」はみんな必ず持っているものなのです。その力を発揮できる人と、発揮できない人がいるだけなのです。

 

では、この「自分の頭で考える」ことができる人とできない人では、何が違うのでしょうか? 答えは簡単です。自分の頭で考えるというポイントまで物事を分解、分析、整理できているかどうかです。

 

物事を分解することは何事においても非常に大事です。

 

例えば、急に今「エベレストに登ってください」と言われたとして、みなさんはどう思いますか? おそらく多くの人が、「いや、そんなことできるわけないでしょ」と答えると思います。エベレスト登山は、登山経験者でもかなり険しい挑戦なのですから、そう思うのは当然でしょう。

 

しかし、この「エベレストに登る」という挑戦を、「トレーニングをして体力をつける→登山靴やウェアなどのグッズをそろえる→標高の低い山を登って登山の練習をする→入念に体のケアをする」というように細かく分解をしていくとどうでしょうか? 少しずつ現実味が出てきたのではないでしょうか?

 

逆に言えば、ここまで分解して初めて、「どのようなトレーニングをしようか」「インストラクターに教えてもらおうか」「どんな靴やウェアを買おうか」「まずどのくらいの高さの山で練習しようか」という風に、「自分の頭で考える」ポイントが出てくるのです。最初の、「エベレストに登る」という挑戦をそのまま考えていたら、自分の頭で考えることがまず存在していないのです。

 

次ページどうすれば物事を分解、分析、整理できるか

本連載は永田耕作氏の著書『東大生の考え型 「まとまらない考え」に道筋が見える』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、再編集したものです。

東大生の考え型「まとまらない考え」に道筋が見える

東大生の考え型「まとまらない考え」に道筋が見える

永田 耕作

日本能率協会マネジメントセンター

変化の激しい時代において、ただ目の前にあることを受け入れるだけではなく、自分で思考するということが、ますます重要になってきます。しかし、「考えようとしても途中で頓挫してしまう」、「考えたけれどその答えに自信が持…

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