(※写真はイメージです/PIXTA)

米国を本拠とする国際的なマーケティングリサーチカンパニー、J.D. パワー(ジェイ・ディー・パワー)より、2022年の米国オンライン診療サービスの顧客満足度ランキングが発表されました。調査によって判明した、コロナにより需要が高まった「オンライン診療」の今後について解説します。

 

調査のポイント

■オンライン診療サービス利用者のほぼ全員が「今後も利用する」と回答

医師の診察を受けるために通院する習慣は、オンライン診療によって完全になくなったのであろうか。本調査によると、リフィル処方箋(※)の受け取り、投薬オプションの検討、検査結果の相談といった幅広い日常的な医療において、通院での診察よりもオンライン診療サービスを好む患者が増え、大多数を占めていることがわかった。さらに、オンライン診療サービス利用者のほぼ全員(94%)が、医療サービスを受けるためにオンライン診療を今後も利用するであろうと回答した。

 

※症状が安定している患者について、医師が指定した一定期間内に同じ処方箋を反復利用できるという仕組み。

 

■オンライン診療サービスの利用率が引き続き急増

オンライン診療利用経験のある本調査回答者のうち、過去1年間にビデオを用いたオンライン診療サービスの利用経験がある人は67%で、2019年のコロナ・パンデミック前の37%から大幅に増加した。

 

■オンライン診療サービスは患者に好評

過去1年間にオンライン診療サービスを通して医療サービスを受けた患者とその家族の大多数(94%)が、今後医療サービスを受ける際に「間違いなく」または「おそらく」オンライン診療を利用するだろうと回答した。

 

■日常的な医療ケアを受ける手段としても存在感に高まり

いくつかの日常的な医療ケアに関しては、通院よりもオンライン診療のほうが好まれた。過去1年間にオンライン診療を利用した患者のうち、オンライン診療を好むとする割合は、リフィル処方箋の受け取りが80%、投薬オプションの検討が72%、検査結果の相談が71%となった。また、定期的なメンタルヘルス診療についてもオンライン診療を好むとの回答は57%となった。

 

■利便性とスピードが利用を促進

オンライン診療サービスを利用する理由の上位は、利便性(61%)、迅速に治療を受けられること(49%)、健康関連情報へのアクセスのしやすさ(28%)となった。

 

■オンライン上でも「顔を合わせた対話」が重要

オンライン診療サービスに対する患者の満足度向上につながる主な要因は、「質の高いケアを提供するために十分な時間をかけること」と「初診時の明確な説明と医療上の懸念を完全に解消すること」であることがわかった。

 

J.D.パワー グローバル・ヘルスケア・インテリジェンス部門 マネージング・ディレクター クリストファー・リスのコメント

 

「オンライン診療サービスとデジタル技術は、患者が医療サービスを求め、提供される方法を変えている。オンライン診療サービスは、アクセスの増加、利便性の向上、医療サービスの連携と継続性を高め、医療サービスの効果を改善し、特にサービスが行き届いていない地域において、医療提供体制のギャップを埋める可能性を秘めている。

デジタル技術の導入と患者の需要が継続的に増加するなか、対面での診療サービスを補完する公平なアクセス、医療サービスや患者の治療の効果を改善するために、なにがうまく機能し、どの分野が改善を必要としているかを評価し続けることが重要である」

 

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