日本の食文化は豊かだが、栄養バランスは・・・
日本は、食文化が豊かなことでは世界屈指といっていいのではないでしょうか。和食はもちろん、イタリアン、フレンチ、中華、エスニックなど、外食産業が盛んで、世界各国の料理を食べられるレストランが充実していますし、食材や調味料も、スーパーなどで容易に入手できます。
また、コンビニやファストフード店もたくさんあり、これほど多彩な食品が揃う国は珍しいといっていいでしょう。しかし、だからといって、日本人が栄養面でバランスのとれた食生活を送っているかというと大いに疑問です。
高血圧や糖尿病といった生活習慣病が増えていることからも、必ずしも健康的な食事内容とはいえないでしょう。食べる量は十分だけれども、身体に必要な栄養をまんべんなく摂っているわけではない、ということです。
それは免疫力にも影響します。体内に食べたものが入ると、消化のためにさまざまな酵素が分泌されます。また、これらの酵素の分泌を促すホルモンなど、消化に補助的に働く物質も分泌されます。これらがバランスよく分泌されることで、消化吸収もスムーズに行われ、生命活動に必要な体内の各システムも機能するのです。その中には当然、免疫システムも含まれます。
栄養バランスの目安「1日30品目」
もし、食事が脂っこいものばかりだったり、ろくに食事せず甘いお菓子ばかり食べていたりしたら、消化のために分泌される酵素やホルモンの種類が偏り、それがもとで体内の機能が乱れる恐れもあります。
いろいろな食品を摂ることで、多種類の酵素やホルモンなどの物質の分泌が促されるのです。よく、栄養バランスの良い食べ方の基準として「1日30品目」といわれますが、これは免疫を整える意味でも、目安になると思います。
例えば外食するとき、天丼やカツ丼、カレーといったどんぶりものや一品料理ですませるのと、焼き魚に野菜の煮物、サラダ、味噌汁といった定食とでは、後者の方がたくさんの食品を摂れることは一目瞭然です。
どんぶりものはご飯の量が多く、上に揚げ物がのっていれば特に、脂肪分やカロリーがオーバーになりがちです。肥満予防の面でも、どんぶりものよりは定食の方が、賢い選択といえるでしょう。