(※写真はイメージです/PIXTA)

家電メーカーの営業一筋の営業マンは、取引先の方が困っている課題に常に問題解決の提案をしてきたといいます。定年後も自分たちの課題を解決してくれるだろうと評価され、新しいビジネスが広がっているといいます。セカンドキャリアコンサルタントの高橋伸典氏が著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

定年後はドローンを使った課題解決を提案

学校には各企業から自社のビジネスにドローンを使うために、多くの方々が業界を超えて通われていました。そうした方々と話すうちに、今まで仕事で自分が関わってきた人たちにも、ドローンを使うと、困っている課題が解決できるのでないか、と考え始めます。

 

そして実際に現役時代からお付き合いのある担当者に連絡を取って話してみることにしました。会社の名刺から個人の名刺に変わっていたので驚かれたようですが、ドローンを使った課題解決を提案したところ、

 

「面白そうだね、ちょっと話を聞かせてもらえない」

 

次々と話が進みだしました。会社を辞めた後も、どうしてこんなに上手くいくのか、とても不思議だったのでその理由を聞いてみました。

 

「それは多分、今もそうですが、ずっと前から、お取引先の方が困られている課題に対して常に問題解決の提案をしてきました。今回も自分たちの課題を解決してくれるだろうと考えてくださったからではないでしょうか」

 

「名刺の肩書を外してもつき合って下さるのは本当にありがたいし、嬉しいことです」

 

と浅井さん。

 

浅井さんに今後のことを聞いてみました。

 

「今後はドローンを使って、3つのことをしていこうと思っています。①ニッチ領域での自分のビジネス、②ドローン学校の同期の人に私の知り合いを紹介する、③東京セカンドキャリア塾で一緒だった塾生のビジネスをサポートしたり、社会貢献活動をしたり、いずれも皆さんの喜ぶ顔が見たいですよ」

 

浅井さんは満面の笑顔で語られました。

 

浅井さんはいつも前向きで、まずは行動されます。生涯現役で頑張っていらっしゃる姿に力をもらいました。いつまでも応援します、事業の成功をお祈りしています。

 

【髙橋の感想】

浅井さんが素晴らしいのは、現役時代に信頼関係に基づき培ってきたネットワークを、仕事と直接関係がなくなっても大切にされていることだと思います。今でも電話1本で連絡がとれる方が多いとのことです。

浅井さんは、いつも相手に与えることが先で、ビジネスはその後についてくるというお考えに基づいて行動されています。そういう姿勢なので、定年後も浅井さんとつき合っていきたいと思われるのでしょう。

まずは人が喜ぶことをし、それを積み重ねることで、信頼関係ができ、人から頼られるようになるのだと教えて頂きました。こういう関係をコツコツ作れば、孤独からは無縁で楽しい人生を送れるのだと思います。人生はまだまだこれからです。これからでも、このような関係を作っていきたいと思いました。
 

 

 

 

髙橋 伸典
セカンドキャリアコンサルタント

 

 

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※本連載は、髙橋伸典氏の著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

髙橋 伸典

日本能率協会マネジメントセンター

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