(※写真はイメージです/PIXTA)

家電メーカーの営業一筋の営業マンは、取引先の方が困っている課題に常に問題解決の提案をしてきたといいます。定年後も自分たちの課題を解決してくれるだろうと評価され、新しいビジネスが広がっているといいます。セカンドキャリアコンサルタントの高橋伸典氏が著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

家電メーカーの営業一筋で家電量販店を担当

浅井さんは新卒から65歳で退職を迎えられるまで、41年間、同じ家電メーカーに勤められてきました。営業一筋で、長く家電量販店を担当されていたそうです。担当地区が広域にわたっていたので各地域のお取引先との信頼関係も構築されてきました。

 

ある家電量販店では、社員教育に困っていたところ、自社の研修グループにお願いして研修を無料で提供されました。それが好評で各階層研修や新入社員研修をお願いされるようになったそうです。もちろん自社製品を販売推進して下さったことは言うまでもありません。

 

浅井さんは担当された取引先との丁寧な仕事ぶりが評価され、60歳で定年を迎えられた時も、上司の方から「できれば今までの業務経験を若い人に伝え育成してもらえないか」と再雇用のお願いがあったそうです。

 

再雇用後も後任者はまだ社内外に人脈はなく、プロジェクトを円滑にマネジメントする経験も少ないので、丁寧に指導を続けられたようです。

 

60歳から65歳の5年間も前向きに勤務を続けてきた浅井さんですが、65歳からの延長は制度上なく、再雇用終了を迎えられることになります。

 

退職後、さぞ寂しい思いをされているのでないかと尋ねてみたら、逆に目を輝かされながら「実はドローンを使って新しいビジネスを仲間と立ち上げようとしています」と説明してくださいました。

 

「ドローン操作の資格をお持ちなのですか?」と聞くと、「ええ、65歳の退職後すぐにドローンの専門学校に通って資格を取りました」とのこと。

 

63歳の時に、浅井さんは知り合いのOBの方で、退職後、ドローン学校の講師をされている方のお話を聞く機会があったそうです。話を聞くうちに、今まで何となく頭で考えていた新しいビジネスの種が、ドローンで実現できるのでないかと興味をもち始められます。

 

「これから自分がやりたいことはこれではないか!」と閃めかれたそうです。

 

浅井さんの会社は家電以外にも多岐にわたるビジネスを展開されていて、ドローンも一度扱ったことがあるそうです。ドローンは様々な業種で応用の可能性があります。それ以来、興味が湧いてきて、63歳〜65歳の間は、自分で勉強され、ドローン展示会に行かれたりしました。そして65歳に退職されてから学校に通われます。

 

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※本連載は、髙橋伸典氏の著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

髙橋 伸典

日本能率協会マネジメントセンター

この一冊で定年後の不安を払拭! 定年後の3大リスク(お金/仕事、孤独、健康)に対し、具体的に乗り越える方法を提示。定年後、どのようにすればいいか不安を抱えている人に贈る指南書です。

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