(※写真はイメージです/PIXTA)

何でも屋として使われていた転職先では次第に社長の右腕として活躍するようになり、社員育成では、今までの指示待ちの働き方から、自分で考えるように促すことから始めたといいます。セカンドキャリアコンサルタントの高橋伸典氏が著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

転職先では何でも屋として使われるが

■再就職先で社長の右腕に

 

質問に対して、一つひとつ丁寧に噛みしめながら答えてくださいます。温厚で人から信頼される人なのだろう、という印象を受けました。

 

田村さんは54歳の時に長年勤めた大手の製薬会社を早期退職されました。何か違うところでチャレンジしたいと思われたようです。会社側からは就職支援をするということでしたが、たいへん苦労されました。

 

「最初は少し年収が下がる程度ですぐ見つかると思ってました」

 

「管理者向けの人材紹介会社に登録をし、小さな会社で何回か面接まで進みましたが、最終的には上手くいきませんでした」田村さんの声は小さくなります。

 

「損害保険会社の事故対応担当の契約社員に応募したんです。あまり気が進まない仕事でした。最初に20人ぐらいの集団面接があり、一人ひとりの自己紹介をきいていたら、有名企業の方も多く、皆さん必死の様子だったんです」

 

「イヤー焦りました! 理想ばかり言っていてはどこにも就職できないかもしれない」

 

気が引き締まったと田村さん。

 

そんな折、従業員が40名規模のホテルでの経理の募集を見つけました。

 

「今までなら断っていたかもしれません。とにかく就職しなくては、という気持ちが高まっていました」と振り返ります。

 

家族経営の小さなホテルで、前職の100分の1の会社規模になります。そのホテルでは2代目の社長が新しい経営手法を導入して経営不振を立て直そうと新しい人材を外部に求めていました。

 

田村さんは人事の経験、とりわけ人材育成の経験もあったことから、社長の方針と合っていたらしく、すぐにでも入社してほしいと要望されました。どうしようかと悩みましたが、必要とされているうちが花と思い、入社を決めました。

 

入社してからは驚くことばかり、従業員からは誰が来たのと斜めからの目線で見られます。社長からは、経理の仕事だけでなく、人事、人材育成、総務のことなど、いわゆる何でも屋として使われます。経理などは今までやっていなかったので、本を買ってきたりセミナーに参加したりと自ら勉強しました。勤怠システムもやったことがなかったですが、調べて対応しました。ここでは知らない、経験したことが無いと言い訳は通用しません。

 

「とにかくやれることはジャンルを超えてやりましたね」

 

と田村さんは今振り返ってみて思うとのこと。

 

「まったく知らないところに自分の身を置くというのはいいことかもしれない。文化や環境が違うところでは、今まで培ってきた自分の専門的スキルや知識を応用しなければならないので広がりができました」

 

ある時、「高価な経理ソフトを導入しようと思う」と社長が言ってきたそうです。

 

田村さんは、「うちの規模では必要ない。安価な経理ソフトで十分まかなうことができる」と反対しました。今まで社長に意見する人はいなかったとのこと。しかし、その的確な判断から社長の田村さんを見る目が変わり、少しずつ信頼関係が深まってきたそうです。イベント企画、従業員評価制度とか手掛け、社長の右腕として期待され活躍するようになります。

 

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    ※本連載は、髙橋伸典氏の著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

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    髙橋 伸典

    日本能率協会マネジメントセンター

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