「プロフィール写真撮影会」を開催
■ケース4:再雇用中に自分の道を
阿部志保子さんは外資系音響メーカーで長くマーケティングと営業を軸に管理職として働いてきました。人とコミュニケーションをとることが得意で人と関わるのが好きな女性です。海外出張も頻繁で、多い時は1カ月に1回の割合で行かれていたようです。
仕事も忙しく子どもを保育園に預けながらフルタイム勤務で、体力的にかなり厳しい時期もありました。
阿部さんは2020年に入り世界的な新型コロナ感染症に直面します。全く生活が変化しました。国内外の出張が全くなくなり、100%自宅勤務、会議も全てオンライン、外出もままならない状態になりました。
達成感が感じられないあまりの変化に心が沈み、メンタル的に不安定な日々が続いたそうです。友人に誘われ、今後の何か仕事の種になるかもと思い「日本酒利き酒師」の資格を取得したりしましたが、仕事につながる糸口も見えずにいました。
そんな阿部さんを救ったのは、意外にも散歩中に見つけた近所の手毬を作る小さな教室でした。
「今まで仕事が忙しくてできなかったのですが、小さい頃から手芸には興味があったので、こんな時だからこそやってみようと思ったのです」と阿部さん。
やってみると不思議にこころが癒されたそうです。仕事で忘れかけていたもの作りの楽しさを発見した気持ちでした。
そして、コロナ禍で定年を迎えることになります。まだ会社員としてやりたいこともあり、米国本社の上司からも請われ再雇用を選びつつも、会社人生が終わった後のことを考えるようになられたそうです。ある日SNSを見ていると、シニアのキャリアを考える東京都主催の「東京セカンドキャリア塾」の広告が目に入りました。
「自分が探しているのはこれだ!」とすぐに申し込みます。
私はそこの職場体験の講師をしていて阿部さんに出会いました。積極的に質問される活発な女性でした。「定年後に向けて何から始めたらいいのでしょうか」とおっしゃるので、「まずは自分の得意なことで何ができるか考えて、まず行動されたらどうでしょう。阿部さんは人との交流が得意そうなので、人脈を活かされてみては如何でしょうか」とお答えしました。すると数カ月して連絡がありました。
「オンライン会議が中心となり、またネット環境で副業・複業をと考えると、まずは納得のいくプロフィール写真を準備したいと思う人が多いと思うんです。私自身もそうですし、特に女性はメイクもして素敵に撮ってもらいたいですよね」
阿部さんの弾んだ声が響きます。
「仕事で長年お付き合いのある著名写真家の人にお願いしたところOKでした」「せっかくなのでお友達を誘って〝プロフィール写真撮影会〞をすることにしました」とのこと。
早速行動に移されたことに驚き、感心し聞いてみました。
「阿部さん、凄いですね。行動が早いですね」
「いや、自分一人では動き出せなかったかもしれません。東京セカンドキャリア塾の仲間が賛同してくれて背中を押してくれました。刺激し合う仲間がいることはありがたいです」
撮影会をやってみると参加者からは大好評。参加を希望する人がどんどん増えてきました。人を集めるのは阿部さんが主に引き受けられ、次回で10回目とのこと。仕事として十分成り立つレベルのものです。
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