アジアのデジタルハブを目指す「フィリピン」…通信インフラ整備加速へ

10月31日週「最新・フィリピン」ニュース

アジアのデジタルハブを目指す「フィリピン」…通信インフラ整備加速へ
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今週は、ブロードバンド通信の普及が急速に進む、フィリピンの通信インフラの現況についてみていきます。

国内通信大手…国際ケーブルネットワーク拡大を計画

 

フィリピン通信大手でNTTが筆頭株主であるPLDT,Inc.は、国際ケーブルネットワークを拡大する計画の一環として、バタンガスで7,500万ドルをかけたAsia Direct Cable(ADC)のフィリピンリンクの建設を開始。PLDTの既存の国際海底ケーブルシステムとともに、Asia Direct Cableは、アジア地域内でのフィリピンの接続性を強化します。

 

ADCはPLDTのグローバルネットワークを強化するだけでなく、国のデジタル化と成長するデジタル経済をさらに前進させることに貢献。ADCの完成予定日は2023年末で、9,400キロメートルの海底ケーブルの建設がフィリピンで開始されます。

 

海底光ファイバーケーブルは、インターネットのインフラストラクチャの最も重要なコンポーネントの1つであり、世界中のデジタル取引を可能にする膨大な量のデータを伝送する一方で、海外と接続するグローバルなバックボーンとして機能します。

 

ADCが完成すると、東アジアと東南アジアの7つの国際ケーブルランディングポイントと接続され、同地域のハイパースケールデータの配信が高速化されます。これは、東南アジアにおける戦略的デジタルハブとしてのフィリピンの優位性を強化するでしょう。

 

ADCは、フィリピンをアジア太平洋地域の次のハイパースケーラーの目的地にするという使命の下、データセンター、海底ケーブル、国内光ファイバーネットワーク、5G、クラウド、IOTなどのデジタルインフラストラクチャのハイパースケールエコシステムを強化します。

 

ADCは、PLDT、China Telecom,チャイナユナイテッドネットワーク、ナショナルテレコム、シンガポールテレコム、ソフトバンク、タタコミュニケーションズ、ヴィッテルグループから構成される通信およびテクノロジー企業のグローバルコンソーシアムです。

 

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