投資による資産形成を促すような政策が進められている一方で、世界的に金融市場が不安定な状況が続いています。このようななか、株式投資で成功している人にはプロ・アマ問わず、大きく分けて2つの共通点があると、鎌倉投信の代表取締役社長である鎌田恭幸氏はいいます。投資で成功するにはどのような力を身に付ける必要があるのか、みていきましょう。

投資で成功するコツ①…「予測しない」こと

まず1つ目は、意外に思われるかもしれませんが、「予測しない」ことです。もう少し正確にいえば、「予測に左右されない投資の枠組みをつくる」ことです。

 

なぜなら、社会情勢や経済情勢がグローバルに複雑に影響しあうなかで、さまざまな出来事の発生可能性やその程度を予測し、かつ、それらが金融市場にどのように影響をおよぼすかを的中させることは、専門家であっても至難の業だからです。

 

つまり、的中する可能性の低い予測に賭けることへのリスク、予測の変化に応じて投資商品をスイッチさせることから生じるコストのほうが、一貫して投資を継続するリスクに比べるとはるかに大きいのです。

 

最近体験したわかりやすい事例を示しましょう。 新型コロナウィルスの感染が拡大し、世界中がロックダウンなどでパニックに陥った2020年3月、世界の株式市場は大きく下落しました。いわゆるコロナショックです。

 

しかし、その後、日本を含む世界各国の積極的な金融・財政政策を受けて株価は反発し、日経平均株価は一時30年ぶりに3万円を超える水準まで値を戻しました。誰も予想がつかない値動きでした。

 

このとき、私が社長を務める資産運用会社のお客様の運用損益をみると、0.3%のお客様を除き99.7%のお客様がプラスでした。株価が近年で最も高い水準にあるなかで当然の結果といえるのですが、なぜ0.3%のお客様は、運用損益率がマイナスになったのでしょうか。

 

不思議に思って調べたところ、0.3%のお客様は、コロナショック(2020年2月~3月)、米中貿易摩擦(2018年夏ごろ)、チャイナショック(2015年夏ごろ)のように株式市場が一時的に下落する局面で、保有している資産の多くを解約(売却)して損を確定してしまい、その後の戻り局面で資産価値を高めることができなかった方でした

 

しかも、投資を開始してからわずか2年程度の短期間で売却していたのです。 株価の値下がりに不安を感じ、「さらに値下がりするのではないか」という予測を、暗黙のうちにしてしまった結果に他なりません。このような経験をした方は、少なくないのではないでしょうか。

 

「相場の先行きに賭けてはいけない」

 

資産運用の世界で最も有名な人物の1人、チャールズ・エリスのこの言葉は、シンプルですが、とても重要なメッセージです。

 

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次ページ2つめの「投資で成功するコツ」とは?

※投資に際しては以下の点をご理解いただき、投資の判断はお客様ご自身の責任においてなさいますようお願いいたします。

・株式投資は預金または保険契約ではないため、預金保険および保険契約者保護機構の保護対象にはなりません。
・株式は、金融機関の預貯金と異なり、元本および利息の保証はありません。
・本記事に記載の情報は、作成時点のものであり、市場の環境やその他の状況によって異なることがあります。 また、いずれも将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。
・本記事に記載の内容は、将来の運用結果等を保証もしくは示唆するものではありません。 また、本記事は、鎌倉投信が信用に足ると判断した情報・データに基づき作成されていますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。
・「いい会社」を説明する際に、投資先企業を例にとりましたが、当該特定企業の発行する有価証券の購入を推奨するものではありません。

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