投資で失敗しないための「コツ」とは
今年6月、「経済財政運営と改革の基本方針2022~新しい資本主義へ~」が閣議決定されました。
そこで掲げられた「新しい資本主義」実現のための5つの重点投資分野の1つが「人への投資」です。そして、「人への投資」の4つの施策の1つが「貯蓄から投資のための資産所得倍増プラン」です。
この資産所得倍増プランでは、「投資による資産所得の倍増を目指して、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充や、iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など、政策を総動員し、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進める」と述べられています。
こうしたお金の運用を通じた資産形成(ここでは、「投資」といいます)を促す積極的な制度が検討される一方で、新型コロナウィルスの感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻、インフレや金利上場などによって金融市場が不安定になると、投資する人の気持ちがぐらつき、結果的に失敗する人があとを絶ちません。
こうした制度を活かすには、初心者でもわかりやすく使いやすいシンプルな制度設計であると同時に、利用する側の投資に向き合う姿勢そのものが重要です。
私は、社会人になってから現在に至るまで資産運用の業務に従事し、金融法人や年金基金といったプロの投資から一般生活者によるコツコツとした投資まで、幅広い投資家に接してきました。
そうしたなかから、プロであっても一般生活者であっても、投資で成功する人には共通項があると感じます。 最も重要なことをあえて1つ挙げるとすれば、それは「長く続けること」でしょう。 投資の方法(運用手法)は100人100通りですが、「長く続ける力」が、運用能力そのものなのです。
投資というと、短期的な利ザヤ稼ぎ、お金儲けの手段というイメージがありますが、(短期売買で利益を上げる人も極稀にいるものの)多くの人にとっての投資とは、「お金を価値のあるものに換え、その価値の長期的な増幅を、将来にわたって享受するためのプロセス」に他ならないのです。
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