(※写真はイメージです/PIXTA)

「時間がない」「もっと効率化しなければ」…時間の使い方に満足していないすべての方へ。“時間不足を根本から解消し、あなたの有意義な時間を増やす方法”を、ベストセラー作家の鈴木祐氏が著書『YOUR TIME ユア・タイム 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術』(河出書房新社)で解説します。

時間術でパフォーマンスは向上しない

たとえば、ビールの販売量と気温の関係を調べると、たいていは「r=0.78」ぐらいの大きな数値が出ます。暑い日に冷たいビールを飲みたくなるのは当たり前ですが、それだけに効果量も高くなるわけです。

 

その点で、0.25という数値は微妙なラインで、「時間術でパフォーマンスが上がることはあるが、効果を実感できない場面が非常に多い」レベルだと考えられます。

 

ここで言う仕事のパフォーマンスは、上司による業績評価、仕事へのモチベーション、作業へのコミットメントなどで測定しており、これらの指標に対して、時間術ははっきりした意味を持たないことになります。

 

さらにチームは、こんな結果も示しています。

 

【分析結果】

 

  • 勉強のパフォーマンスに使うと時間術の効果はさらに低くなり、学校のテストの点数や成績アップは期待できない
  • 時間術がもっとも効果を発揮するのは「人生の満足度」で、仕事のパフォーマンスより72%も影響度が大きい

 

時間術というと、大半の人は日々のタスクのパフォーマンスアップに使うでしょうが、実際にはさほどの効果を得られず、メンタル改善のメリットのほうが大きいわけです。

時間の使い方を考える時間こそがムダ?

いったん話をまとめましょう。既存の時間術の問題点は次のようなものでした。

 

  1. 万人に効果があるような時間術は存在しない

  2. 時間を効率よく使おうとするほど生産性は下がる

  3. 時間術の大半はそもそも時間の使い方とは関係がない

 

こうして見ると、もはやタイムマネジメントなど絶望的にも思えてきます。実証研究では時間術の効果の低さが示され、さらに効率の追求もよくないと言われたら、どうしていいのかわかりません。時間の使い方など、もはや考えるだけ無意味なのでしょうか?

 

鈴木 祐

科学ジャーナリスト

 

本連載は、鈴木祐氏の著書『YOUR TIME ユア・タイム 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術』(河出書房新社)から一部を抜粋し、再構成したものです。

YOUR TIME ユア・タイム 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術

YOUR TIME ユア・タイム 4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術

鈴木 祐

河出書房新社

「時間がない」「もっと効率化しなければ」「本当に大切なことに時間が割けない」「気がつけば1日が終わっている」 ……時間の使い方に満足していないすべての方へ。 「時間感覚」を書き換えて、あなたの時間を取り戻せ!…

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