(写真:by DutchNews.nl)

オランダの不動産・政治経済・金融等に関する情報を中心に取り扱う、オランダ発ローカルメディア『DutchNews.nl』より翻訳・編集してお伝えする。

アムステルダム、ロッテルダムも…

オランダ最大の独立系住宅ウェブサイト「パラリウス」の最新四半期レポートによると、オランダの家賃管理以外の住宅部門(持ち家)における料金が5つの大都市で急上昇し、物件の貸し出しが急増しているという。

 

アムステルダムでは、新規契約のテナントが1年前より10.3%多く賃料を支払っており、その料金は1平方メートルあたり25.24ユーロ(日本円約3,653円)、70平方メートルのアパートでは平均1,766ユーロ(日本円約25万5,660円)に達している。ユトレヒトでは、新規契約賃料は6.5%増の1平方メートルあたり20.33ユーロ(日本円約2,942円)、70平方メートルのフラット(アパート・マンション等の集合住宅)で1,420ユーロ(日本円約20万5,639円)となった。

 

ロッテルダム、ハーグ、アイントホーフェンでは、新規契約の賃料は現在、1平方メートルあたり17ユーロ(日本円約2,460円)から18ユーロ(日本円約2,605円)の間である、とパラリウスは述べている。

 

地域差も激しい。ドイツ国境沿いのアムステルフェーンとエンスヘーデでは、賃料が13%上昇したのに対し、ゴーダとデルフトでは、上昇率はわずか1%にとどまった。

 

賃貸物件において、新しいテナントが契約されるまでの空室期間は全体で平均して34日間だった。これは、1年前に比べて8日減少している。

 

政府によるコントロール

 

政府は現状、家賃規制の対象となっていない賃貸物件「月額家賃が763ユーロ(日本円約11万555円)以上の住宅」の規制を強化する一連の措置を計画している。来年からは、購入された賃貸物件には高率の譲渡税が課されるほか、家賃統制の対象となる住宅を増やす計画をヒューホ・デ=ヨンゲ住宅相主導のもと進めていく方針だ。

 

また、地方自治体には、実際にその物件に住む意思のある人に対して「販売を制限する権利」も与えられている。アムステルダムでは新築と51万2000ユーロ(日本円約7,418万5,197円)までの住宅、ロッテルダムの一部の地区では35万5000ユーロ(日本円約5,142万3,347円)までの住宅について、すでにこのような措置がとられている。

 

投資家への影響

 

「政府が進めている措置は到底喜べるものではない。政府は、投資家が住宅市場で果たす重要な役割を認識したくないようだ」とパラリウス最高経営責任者のジャスパー・デ・グルート氏は述べた。

 

「何年もの間、賃貸管理されていない物件の数は極端に少ないにも関わらず、投資家は住宅に資金投入することを控えている」(ジャスパー氏)

 

現在、オランダの住宅ストックの57%が持ち家で、33%が賃貸管理されている。そして、月に4万ユーロ(日本円約579万4,085円)以上の収入のある人が賃貸を希望する場合はわずか9%である。
 

 

この記事は、GGOが提携するオランダのメディア『DutchNews.nl』が2022年10月13日に掲載した記事「Rents soar in big Dutch cities as government squeezes ‘free’ sector」を翻訳・編集したものです。

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