海外直接投資は14ヵ月ぶりの低水準だったが…
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7月のフィリピンへの海外直接投資(FDI)の純流入額は3ヵ月連続で減少し、14ヵ月ぶりの最低水準に落ち込みました。
フィリピン中央銀行BangkoSentralngPilipinas(BSP)が発表したデータによると、7月のFDI純流入額は、前年の12億9000万ドルから64.4%減少して4億6000万ドルになりました。これは、2021年5月に記録された4億5,500万ドル以来最低の月間FDI流入。前月比でも、FDI純フローは6月の4億7,100万ドルから2.3%減少しました。
構成要素別に見ると、7月の非居住者による地元の関連会社の債券への純投資は、1年前の10億9,300万ドルから80.6%減少して2億1,300万ドルになりました。7月のFDIデータは、予想される世界的な景気後退に対する懸念を反映していると見られています。
主要な投資国での財務状況の逼迫、金利上昇局面、悲観的なビジネスセンチメント、およびインフレやサプライチェーン問題によるコスト上昇、株式市場の下落など悪材料が山積しているため、外国企業は短期的に投資を控える可能性があります。
BSPは、インフレを抑えるために、7月にベンチマーク金利を75bps引き上げ3.25%にしました。インフレ率は、6月の6.1%、1年前の3.7%から7月には6.4%に上昇しました。これにより、BSPのインフレ目標2〜4%を4ヵ月連続超えたことになります。年初から7ヵ月間の累積FDI純流入総額は、2021年の同時期の57億9500万ドルから12%減少して51億1000万ドルになりました。
一方マルコス大統領が、米国、インドネシア、シンガポールを訪問した際に、フィリピンへの投資のコミットメントを得てきたため、これから、FDIが増加する可能性があります。さらには、経済のコロナ後再開が加速してくれば、投資家は拡張プロジェクトに対してより決断力を持つようになる可能性があります。
建設、不動産、製造業などへの資金流入が増加傾向であるため、多くの専門家がフィリピンの中期的な経済見通しに対して、依然として強気の見方を継続しています。中央銀行は、今年のFDI純流入額が105億ドルに達すると予測しています。
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