写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏による、最新のフィリピンレポート。今週は、最新のM&Aの動きをみていきます。

RBCとの合併で、BPIがフィリピン第2の銀行へ

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アヤラグループ銀行(BPI)とロビンソンズ銀行(RBC)の株式交換による合併が、それぞれの取締役会で承認されました。

 

この取引は、BSP、SEC、Philippine DepositInsurance Corp、フィリピン預金保険公社(PDIC)およびフィリピン競争委員会(Philippine Competition Commission)を含む規制当局の承認を得る必要があります。両当事者は、2023年末までにこのプロセスを完了させたいと考えています。

 

合併完了後、RBCの株主である財閥のJGサミット・キャピタル・サービス・コーポレーション(JGS)とRobinsons Retail Holdings,Inc.(RRHI)が、それぞれ3.6%、2.4%の株式を保有することになり、財閥オーナーであるGokongwei氏の持ち株比率は6%になる予定です。

 

また、BPIは資産規模(2022年3月時点)で2.5兆ペソとなり、メトロポリタン銀行を抜いて第2位の銀行となります。

 

このディールは、基本的には、BPIの成長を加速させる合併とみられています。BPIの既存ネットワークの拡大に加え、今回の合併により、Gokongweiグループと様々なパートナーシップを構築することができるからです。

 

BPIは今後も景気回復や金利上昇の恩恵を受けると考えられています。

 

現在RBCの株式は、JGSが60%、RRHIが残り40%を保有しています。現在の価格ベースでいくと、今回の合併により、JGSの時価総額は145億ペソ、RRHIの時価総額は97億ペソ増加します。

 

JGSの主要事業がマーケットリーダーであり、長期的な経済成長の恩恵を受けると考えられています。また、この財閥の経営陣は、産業界において優れた実績を示してきました。しかし、短期中期的には、原油価格の高騰や高インフレという現在の環境は、今後も見通しを悪化させると思われます。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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