(画像はイメージです/PIXTA)

配偶者のダブル不倫が発覚すると、双方の配偶者が「サレタ側」となり慰謝料請求の問題が複雑になります。さらにその関係が数十年も続いた末の離婚となると、財産分与や老後資金などの問題も絡み、さらに複雑化してしまいます。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、ダブル不倫の末の熟年離婚について若井亮弁護士に解説していただきました。

16年間ダブル不倫を続ける夫と熟年離婚したい

結婚29年目の相談者のカロラインさん(女性・仮名)は、16年前から夫がある女性とのダブル不倫の関係が継続していることがわかり、離婚を検討しています。

 

初めて不倫に気付いたときは2人の子どもが小さく、またそのうち1人は重度の障がいがあるため働くことが難しく、離婚はあきらめて厳重注意をしていました。しかしそれでも夫は関係を続けていたため、相手の女性に電話し、別れるように伝えています。相手の女性の夫は気づいているようでしたが、とくに何もしていないようです。

 

その後4年間単身赴任をしていた夫が自宅に戻った際、不自然な行動が見られたため問い詰めたところ、まだ関係が続いていることを認めました。

 

カロラインさんは相手の夫婦と話し合いか、離婚かのどちらかを選ぶようにと夫に伝えたところ、迷わず「離婚を選ぶ」と返答がありました。初めて不倫が発覚した時から、今まで夫から謝罪の言葉は一切ありません。

 

そこで現在は有利に離婚の話し合いを進めるべく、夫にバレないよう証拠集めなどの準備を進めています。

 

現在カロラインさんが所有している証拠や相手側の情報は次の通りです。

 

  • 単身赴任中4年間のLINEトーク履歴(不倫関係がわかる内容が多数あり、複数回旅行していること伺える)
  • 性行為中の動画(両者の顔も確認可)
  • 不倫相手の名前、LINE、メールアドレス、携帯番号、自宅の電話番号(自宅の住所は不明)
  • 不倫相手の配偶者の勤め先の場所、連絡先

 

カロラインさんは専業主婦でしたが、実母が同居するようになったため5年前から子どもの世話を母に頼み、扶養範囲内でパート勤務をしています。

 

しかし母も高齢でカロラインさん自身も定年間近の年齢となり、母が健在でないとカロラインさんが働くことは難しい環境です。夫は一切子育ての協力がなく、ワンオペでの子育てをしています。16年間も不倫を継続しているので、夫と不倫相手の双方から一般より高額な慰謝料を取りたいと思っています。

 

カロラインさんが希望する離婚条件は、次の通りです。

 

  • 持ち家を譲ってもらうこと(3割はカロラインさんの名義・ローンなし)
  • すでに成人しているが、障がいのある子どもの養育費を受け取ること
  • 退職金を含む財産分与を受け取ること(貯金額は不明)

 

夫は「希望通りにはできない」と裁判を希望していますが、カロラインさんは今後大幅な収入増が見込める年齢や環境ではないため、できる限り費用をおさえるべく協議で解決したいと思っています。

 

そこで費用負担を抑えながら、カロラインさんの希望する離婚条件で離婚を成立させるためにはどうしたら良いか、ココナラ法律相談「法律Q&A」に相談しました。

次ページ「予め離婚における優先順位を決めておくこと」が重要

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