(※写真はイメージです/PIXTA)

本記事は、東洋証券株式会社の中国株コラムから転載したものです。

“爆買い復活”は幻…いまなお続く中国の「鎖国」政策

中国では現在、不要不急の海外渡航が厳しく制限されており、公務や出張、留学など特別な事情がない場合は事実上の出国禁止だ。パスポートの新規発行や更新すら断られるほど。それゆえ、中国人の訪日旅行はほぼゼロである。

 

仮にこの為替レート下で海外旅行が解禁されれば、日本は空前のインバウンド需要に沸くだろう。中国人のあいだでは、温泉やご当地グルメ、文化体験など興味の幅が広がっているが、やはり元高メリットによる「爆買い」は外せない。

 

知り合いの中国人が先日、SNS上で「日本のモノがすべて『白菜価格』に見える」とつぶやいていた。これは、もともと安い、あるいは本来の価格よりもだいぶ安いバーゲン価格を指すのに使われる中国語表現。高品質・低価格でコスパが抜群にいい日本製品は、直近の元高でおトク感がさらに増している。

 

一方、とある在留邦人は、人民元建て給与をよなよな頭のなかで円換算しているという。円ベースでは一見、給与がアップした......感じがするらしい。

 

1万元を円に「脳内換金」してみると、10年前は12万円、今なら20万円。おぉ、たしかに増えている! なるほど……バーチャル財布で懐もホカホカ。この気持ち、筆者もよ~くわかります。

 

 

奥山 要一郎

東洋証券株式会社

上海駐在員事務所 所長
 

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