(※画像はイメージです/PIXTA)

模試は受けて、必ず見直し・解き直しをすることが大切です。「模試の受けっぱなしはNG」とよくいわれますが、それは受けること以上に、見直しをすることにメリットがあるからです。塾なしで長男を志望校に入学させた塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)で解説します。

本番で力を発揮するために実践的な体験

■模試を受ける理由

 

・本番のリハーサル体験、練習ができるから

 

各教科を一生懸命勉強すれば、必ず合格するのであればよいのですが、そういうわけではありません。範囲が絞られる定期テストは勉強すれば比較的点数はついてきますが、入試については、なかなかそうはいかないのが現実です。なぜなら、先ほども述べましたが、出題される問題は、中学校の学習の全範囲から選ばれるからです。

 

とはいえ、東京都立であれば5教科の共通問題や自校作成問題、私立高校は学校独自の入試問題ですから、それぞれの試験に特徴があります。全範囲を満遍なく勉強するというよりも、受験する学校に合わせて効率よく勉強をすることが賢明です。

 

志望校の入試スタイルに合わせたリハーサル体験(=模試)を繰り返すことで、本番に向けた訓練を積むことができます。出題される問題の傾向、量、レベル、時間配分など、本番に近い模試で実践練習を繰り返しておくことが大切なのです。

 

過去問と同様、模試は志望校に合わせて選びましょう。

 

入試当日に結果を出すためには、受験を考えている学校の問題の形式や傾向に慣れ、時間内にどのように対処するのかを身につけておくことがとても重要になってきます。これはテクニックというよりも、反復練習としての意味合いが強いでしょう。平常心で時間内に合格点に届く実力を発揮する練習、それが模試です。

 

「この試験で合否が決まる」「1年間勉強した成果を出す日」といった入試日の特別な状況下では、受験生はとてもプレッシャーを感じ、緊張もするでしょう。試験当日、周りは全員ライバル。落ち着いて試験に挑むためには、リハーサルを経験しておくことに損はないでしょう。

 

中3の夏以降、息子は6回模試を受けました。これが多いか少ないかはわかりませんが、少なくとも、ある程度訓練していたからこそ落ち着いて入試に挑み、結果を出せたのだと思います。本人いわく本番は「少し緊張した」程度だったようです。併願受験をした私立高校は、かなり落ち着いて受験できた様子でした。

 

この他、中学校では3年次に、確認テストと呼ばれる試験を3回受けています。これは学校内模試ですが、順位などはなく中学の成績にも反映されません。都の平均点は出るので、都内の公立中学が「実力確認テスト」として実施し、先生はその結果を進路指導の参考にしているようです。

 

3年になって以降、息子は「模試」という練習を積んで、徐々に入試のスタイルに慣れていきました。最初は思うようにとれなかった点数も、得点をアップするために必要な対策・時間配分などを考え、やり方を変えていくと、徐々に点数は伸びました。

 

「どうしたら、得点を最大化できるか?」

 

先ほども述べましたが、このことが入試では最も大切で、合格するために必要なことです。そのためにも、特に志望校の入試スタイルに慣れ、自分なりの対策を立てて挑めるように、繰り返し練習しておきましょう。練習を重ねて改善していくことができれば、自信もついてくるはずです。

 

受験もスポーツと同じで、いきなり本番で力を出せる子はそうはいません。たとえ、実力があっても、です。それは、もっている力をどうしたら最大限出せるかという話で、「本番に強い」「メンタルが弱い」などにつながるのかもしれませんが、平常心で集中して本番に臨む力は、競争の世界で勝つために必要なことなのでしょう。

 

事前に練習を積むことは当たり前ですが、本番と似ている状況下で練習することが効果的。入試当日に力を発揮できるように、模試で実践的な体験をしておくことは、学力を上げることと同じくらい、合格するためには必要です。

 

模試と過去問は、受験の重要アイテム。志望校に合格するには、過去問と同じくらい模試は大切なのです。

 

次ページ「模試の受けっぱなしはNG」のワケ

※本連載は塚松美穂氏の著書『「塾なし」高校受験のススメ』(プレジデント社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

「塾なし」高校受験のススメ

「塾なし」高校受験のススメ

塚松 美穂

プレジデント社

たくさんの習い事に、塾を掛け持ちしている小学生。中学生になれば、学習塾にいくのが当たり前の世の中で、周りを見れば塾通いのクラスメートばかり。「塾にいかないと子どもたちは希望する進路に進めないのだろうか」という疑…

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