多くの企業では「月次決算」が採用されています。しかし、さらなる利益追求(損失回避)のためには、営業利益をよりタイムリーに把握し、自社の置かれる状況をスピーディーに理解する必要があると、KMS経営会計事務所の代表である公認会計士・税理士の川崎晴一郎氏はいいます。会社の業績を成長させるために経営者はもちろん、現場の営業社員も習得しておくべきスキルとそのメリットについて、詳しくみていきましょう。

経営者が営業利益をタイムリーに把握するメリット

 タイムリーにかじ取りを変更できる

顧客ニーズの変化が特に激しい現代において、経営者はタイムリーに変化に対応していく必要があります。変化に対応できなければお客様は他社に流れ、業績はじわじわと下がってしまいます。場合によっては急激に業績が落ちることもあるでしょう。

 

変化に対応するためにまず必要なことは、変化を感じることです。売上が下がったり、粗利率が下がったり、広告効果が下がったりと、営業利益に至る数値に必ず変化が生じます。

 

その変化をいち早く感じ取り活動のシフトチェンジを行うことで痛みを小さく食い止められますし、その変化対応の過程で逆に飛躍することもあります。また、経営者が数値を把握する意義は、変化に対応するのみならず、当初立てた計画通りに事業が進んでいるかを観測することにもあります。

 

スピーディに数値を把握することができれば、儲からない事業の撤退判断をいち早く下すことにつながり損失を最小限にできるかもしれませんし、計画を上回って伸びている事業にさらに経営資源を集中させることで、利益をもっと伸ばすことができるかもしれません。

 

経営者が数値を把握する意義はほかにもありそうですが、いずれにしても、今日までの営業利益(営業利益に至る収益と費用)を「いま」把握できるということは、1ヵ月後に把握できるより、1週間後に把握できるより、そして明日把握できるより、確実に利益増加をもたらします。

 

もし経営者によるかじ取りの変更が1日100万円の利益をもたらす(ないし損失を回避する)ものだとしたら、1ヵ月判断が遅れることは約3000万円の利益を失うのと変わりありません。

 

経営者がタイムリーに営業利益を把握し、かじ取りの変更をスピーディにできるようになることの全社的な影響は、一般社員のそれに比べはるかに大きいです。経営者が営業利益をタイムリーに把握できるか否かは、会社全体で獲得できる利益の金額に大きな影響を及ぼすのです。

 

 

川崎 晴一郎

公認会計士・税理士

KMS経営会計事務所・株式会社KMS代表

 

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    ※本連載は川崎晴一郎氏の著書『秒速決算 ~スピーディに人を動かす管理会計で最高の利益体質をつくる!~』(技術評論社)より一部を抜粋・再編集したものです。

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