フィリピン株式市場…民主化と資本市場の活性化施策
フィリピン証券取引所(PSE)は、GCashおよび証券会社のABキャピタル証券と共に、来年、電子決済会社を通じて全国の株式市場取引を可能にすることを目的としたトライアドパートナーシップを開始しました。PSEの社長兼最高経営責任者であるラモンS.モンゾン(RamonS.Monzon)氏は、パートナーシップ発表で次のように述べています。
PSEは取引のためのテクノロジーを提供し、GCashはそのアプリケーションで取引をホストし、ABキャピタルは証券取引の仲介役を務めます。GCASHは、ソフトローンチ・ベータ版を通じて、機能の改善を進めていき、来年の初めまでに、本格展開する予定です。
このサービスは、GStocksと命名され、フィリピン人のための金融サービスの民主化を目指しています。このパートナーシップのターゲット市場は、まだ株式に投資したことがないGCash加入者です。証券口座を開設するのには、ハードルが高い人でも、GCash口座を持っているだけで投資できるようになります。PSEは、この取り組みによって、フィリピン人が資本市場に容易にアクセスできるようになることを目指しています。
ABキャピタル証券の会長兼最高経営責任者であるアントニオホセU.ペリケ氏は、金融サービスにアクセスできる人とそうでない人の間の富の格差が拡大する傾向にあるとしています。
GCASHを運営するフィリピン通信大手グローブ・テレコム社(GLO)の新株予約権発行価格設定と、同社のスマホアプリで証券取引ができるようになるとの発表で、同株の取引が活発化しました。
2021年9月12日に、GLOは、株主が所有する13.2366株ごとに1株の新株予約権を、最近の株価を大きく下回る1株あたりP1,680に価格設定しました。これにより、Globeは170億ペソの資金調達を計画しており、高金利下での負債の返済と設備投資に充当します。この新株予約権の公募期間は、10月3日から10月7日です。
Globeは以前、第2四半期の当期利益が60億1000万ペソに達し、前年同期の56億8000万ペソから6%近く増加したと報告していました。これにより、Globeの上半期の純利益は196.5億ペソとなり、2021年の同時期の129.9億ペソから51%増加しました。さらに通信塔の売却・リースバックの取引などもあり、第3四半期と第4四半期の利益も60億から62億ペソに達すると予想され、通年で2桁の利益成長が達成できると見られています。