フィリピン・オフィスの空室率回復に出遅れ感
不動産調査会社Leechiu Property Consultants(LPC)は、マンダルヨン、ベイエリア、アラバンのオフィス賃貸料は、コロナ前に活況であった中国系を中心とするオンラインカジノなどゲーミング会社(POGO)が完全に撤退した場合、月次平米単価600ペソから300ペソへと50%下落するとのレポートを発表しました。Caviteの賃貸料は38%減の250ペソ、Makatiの賃貸料は22%減の700ペソとなると試算しています。
コロナ後のオフィス空室率の回復がスローで、今年のピークが18.2%です。撤退したPOGOがフィリピンに戻って来れば、空室率は低下しますが、フィリピン財務省とグレース・ポー上院議員のPOGOに対する強硬姿勢からすると、POGOの大きな復活は難しいと見られています。
このため、フィリピンのオフィス開発不動産ディベロッパーの本格的な業績回復には時間がかかると見られています。一方で、賃貸料の低下が予想されるため、より多くのBPOを引きつけ、より安定したテナントベースを獲得できるという中長期的なプラス効果も指摘されています。