ウィークリー・フィリピンレポート記事20220915
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フィリピン中央銀行(Bangko Sentralng Pilipinas、BSP)が発表したデータによると、6月の海外直接投資(FDI)純流入額は、前年の9億7,100万ドルから51.5%減少して4億7,100万ドルになりました。これは、2021年5月の4億5,500万ドル以来、最低の水準です。前月比では、FDI純流入額は5月の7億4,200万ドルから36.5%減少しました。2022年6月の返済額の増加により、非居住者による現地関連会社の債務の積み増しが減少したためです。
構成要素別に見ると、6月の非居住者の地元関連会社への貸付額は、前年の7億6,400万ドルから71.9%減少して2億1,500万ドルになりました。逆に資本増強への投資は、6月に23.4%増加して2億5,600万ドルになり、これは、主に日本、米国、シンガポール、スイスからのものでした。投資先は製造業、不動産業、情報通信業(ICT)が中心。世界中で進むインフレ進行と金利の上昇、そしてマルコス新政権の政策実行力を見極めるという様子見のスタンスによって、投資が圧迫されているようです。
ただし、上半期全体でみると、FDI純流入総額は、2021年の同時期の45億3000万ドルから3.1%増加して46億4100万ドルになっています。内訳としては、海外本社からの貸付が、前年比12.3%増加し、33億4,300万ドルになる一方、新規の資本増強の投資は、15%減少して12億9,800万ドルになりました。貸付が依然としてFDIの大部分を占めており、投資家は成長見通しについて楽観的であるものの、新規の資本増強を控えていることを示唆しています。
このような状況下ですが、フィリピン中央銀行は、2022年年間での海外直接投資額純流入額が110億ドルに達し、過去最高になるとみています。そして、そのためには、マルコス新政権の最初の100日間のパフォーマンスが重要となってきます。
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