(画像はイメージです/ココナラ法律相談)

今はインターネット上で、誰でも気軽に自分の意見を発信できます。しかしその気軽さゆえ、意図せず誹謗中傷や名誉毀損にあたる内容を発信してしまうケースも少なくありません。では、実際に自身が投稿した内容について相手側から法的手段をとられた場合、どのように対応すべきなのでしょうか。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、発信者情報開示請求をされた時の対処法について大窪和久弁護士に解説していただきました。

悪質な書き込みに返信したら、開示請求が届き…

相談者のアリスティアさん(仮名)は、ある掲示板を見ていたところ、仕事関係でお世話になっている企業の社長に対するひどい内容の書き込みを見つけました。具体的には「社長は過去にある犯罪をしたと社員達に言って脅し、パワハラ行為をしている」という内容です。

 

アリスティアさんはその時、この内容が事実ならば、心情的に辛いが悪い事柄が明らかになって会社がもっと良くなってほしいと思う一方で、この内容が事実ではないのであれば、名誉毀損にあたるのではないかと思いました。そこで差し出がましいとは思いつつも、書き込みをしたユーザーに対し、上記のことを伝えました。

 

すると「その行為に対する証拠を持っている」と返信がありましたが、アリスティアさんは真実かどうかもわからないのでこれ以上書き込む必要はないと思い、返信をしませんでした。

 

それから約2ヵ月後、その掲示板を運用する会社からメールが届きました。要約すると、名誉毀損にあたる内容のため、権利を主張する方から、発信者情報開示請求と書き込みの削除を依頼するという意見照会に関する内容でした。

 

アリスティアさんとしては「社長が犯罪をしている」とも「名誉毀損である」とも述べたつもりはありません。ただこの書き込みによって、傷付いた方がいること、また会社にも迷惑をかけてしまったのだろうということに関して深く反省しています。

 

そこで、アリスティアさんは発信者情報開示請求に対しては不同意、削除に関しては同意しようと考えましたが、このことについてココナラ法律相談「法律Q&A」に次の2点を相談しました。

 

(1)発信者情報開示請求に不同意の理由を書く場合、弁護士にチェックしてもらうべきか

 

(2)今回の場合、発信者情報開示請求に不同意と送信しても、裁判に負け、開示しなければならなくなる可能性はあるのか

意見照会の回答は弁護士の確認をとることが望ましい

(1)の意見照会の回答については、弁護士の確認をとることが望ましいです。

 

発信者情報開示に不同意の回答を行った場合、掲示板を運用する会社は投稿に権利侵害の明白性が認められるかどうかを判断した上で、開示か不開示かの判断をすることとなります。また、仮に掲示板を運用する会社が不開示の判断を行った場合でも、その後同会社が被告とした発信者情報開示を求める仮処分・訴訟等、法的な手続により裁判所が開示すべきと判断すれば、開示されることになります。

 

掲示板を運用する会社は、基本的に投稿内容と意見照会に対する回答しか情報を有していませんので、発信者情報開示がなされるべきでないということであれば、掲示板を運用する会社に対して具体的な理由及びそれを裏付ける事実関係を伝え、証拠の提出も行うことが望ましいです。

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