(画像はイメージです/ココナラ法律相談)

制作会社やクリエイターにとって、著作権侵害は切っても切り離せない問題です。オリジナルの制作物を無断で他者にマネされることはもちろん許し難いことですが、逆に意図せず著作権を侵害してしまい、訴えられてしまうようなリスクもあります。著作権のトラブルを防ぐためには、製作者自身が著作権についてきちんと理解しておくことが大切でしょう。そこで実際にココナラ法律相談のオンライン無料法律相談サービス「法律Q&A」によせられた質問をもとに、キャラクターの著作権について杉本隼与弁護士に解説していただきました。

「利用許諾」と「著作権譲渡」、結ぶべき契約は?

前述のようにキャラクター自体は著作権の保護の対象とならないため、問題となるのは制作したイラストの著作権であることになります。相談者が制作したイラストの著作権の扱いは、究極的には企業とどのような契約を締結するかによって決定します。

 

基本的には、著作権を第三者に利用させるための契約としては、著作物の利用を許可するという内容の「利用許諾」の契約を結ぶか、著作物の著作権を譲渡するという内容の「著作権譲渡」の契約を結ぶかの2つの種類が考えられます。

 

一般的に、企業との取引では「著作権譲渡」の契約を結び、著作権を企業側に帰属させてしまうことが多いとは言えます。しかしながら、実際の事例は様々考えられ、製作物がイラストなのか、小説なのか、音楽なのかによっても扱いは異なってきます。極論すると、業界によって扱いが異なっているとも言えます。

 

このように同じ著作権に関する契約でも、「利用許諾」と「著作権譲渡」のどちらの契約を結ぶのか様々になっている理由は、業界のそれぞれの風習に基づくという点ももちろんありますが、「利用許諾」と「著作権譲渡」それぞれにメリットデメリットがあるためであるとも考えられます。

 

一般的には、「利用許諾」の場合、制作物に関する著作権がクリエーターに残るため、クリエーター自身が制作物を利用できますが、譲渡の場合と比べて対価が少なくなるものといえます。

 

一方で、「著作権譲渡」の場合は、制作物に関する著作権を譲渡してしまうため、クリエーター自身が制作物を利用することができなくなりますが、その分許諾の場合より対価が高くなるものといえます。もちろん、これ以外にも様々なメリットデメリットが考えられます。

 

従って、どのような契約を結ぶのが自分の意向に沿っていて、メリットがあるのかという点については良く考える必要があるといえるでしょう。場合によっては、著作権を専門とする弁護士に相談するというのも一つの方法であるといえるでしょう。
 

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