(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

8月CPIは前年比2.5%上昇。PPIは2.3%上昇

中国国家統計局が9日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.5%上昇と、市場予想の2.8%を下回った。前月ベースでは0.1%減と上海市をはじめ大規模な都市規制を敷いた5月以来のマイナス成長。

 

生産者物価指数(PPI)は前年比2.3%上昇と昨年2月以来の低い伸びとなった。8月は中国各地で猛暑による電力不足や新型コロナウイルスの感染再拡大が影響。今週発表された貿易統計が前月から大幅に縮小したデータから示唆されるように、消費鈍化による内需低迷が懸念される。

 

ただ、今回の内需の弱さを反映した結果は、中央銀行の更なる政策緩和余地を与える内容となった。

 

中国人民銀行はCPI伸び率の目標上限を3%に設定しており、足元は下回る水準となっている。人民銀は8月に政策金利を1年物、5年物ともに引き下げたが年内には更なる利下げを見込むと考えられる。

 

9日のマーケットは早くも追加緩和も見込むなど、期待が先行している感も否めない。中国市場が安定を取り戻すと判断するには、今しばらく見極めの時間が必要と考える。

 

(中国消費者物価指数)

 

(中国消生産者物価指数)

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

 

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