利回りを妥協しても物件が買い進められなくなる理由
たとえば、3000万円の物件を買った場合を想定した「利回り」で考えてみましょう。
そもそも利回りとは、「年間の家賃収入÷物件の購入金額」で求めることができます。具体例を見ていきましょう。
(例)
- 年家賃収入100万円÷物件価格3000万円 = 約3% 月家賃収入8.3万円
- 年家賃収入300万円÷物件価格3000万円 = 約10% 月家賃収入25万円
- 年家賃収入600万円÷物件価格3000万円 = 約20% 月家賃収入50万円
このように、同じ価格の物件を購入したとしても、得られる家賃によって利益の額も利回りも大きく変わります。3%と20%では、実に約6倍も違うのです。
「それなら、利回り20%の物件を探して買えばいいのでは?」
そう思う方も多いでしょう。しかし、現実にはそれが難しいのです。実際に探してみると分かりますが、利回り20%規模の物件はほとんど見つかりません。
そこで10%前後の物件を探し、実際に購入して運営している人もいるのですが、今度は他の問題が浮上します。そのうち最も多いのが「物件を買い進められなくなった」というものです。
物件の購入には頭金をはじめとする一定の資金が必要であるため、それを確保しながら、保有不動産を増やしていくのが王道です。しかし、1棟のアパートを購入するのにすべて使い切ってしまうと、それ以上の買い進めができなくなり、資金の回収に何年も要してしまいます。
もし、その物件で入居者が思うように獲得できなければどうなってしまうでしょうか。
収入は得られず、ローン返済だけが続くことになります。それでは、家賃収入が安定化するはずもありません。むしろ、賃貸経営自体が傾いてしまいます。当然、収入や資産の拡大はできません。
そのような問題に対処するにはどうすればいいのでしょうか。私は、さまざまな書籍を読み漁り、実践し、成功者に会いに行き、また塾などにも通って知識を深めていく中で、ベストな買い進めができる方法を模索しました。
その結果、
- 戸建ては、少額から購入でき、家賃収入も売却益も期待できる。一方、利益(CF:キャッシュフロー)額が小さく、積み上がらない。
- アパートは、利益(CF)額を見込める。一方、融資や自己資金の不足などで、買い進めがストップしやすい。
という2点に着目し、「賃貸経営を成功させるには、網羅的にそれらを理解し、プランニングを経て戦略的に買い進めていく方法を確立させるべき」との結論を得ました。