(※写真はイメージです/PIXTA)

人生100年時代。NPO法人「老いの工学研究所」理事長の川口雅裕氏は、書籍『年寄りは集まって住め』のなかで、「高齢期の幸福」を考えるにあたっての「孤独の問題」について解説しています。

「高齢の親と長期間、離れて暮らす」初めての世代

「親孝行、したい時分に親はなし」。

 

親のありがたみが分かる年頃になり、親孝行をしたいと思うようになったときには、もう親はこの世にいない―。そうした後悔や嘆きを表現した言葉です。

 

70歳代で亡くなるのが普通だったような時代は、そのとき子どもは40歳代。会社の中心的存在として働き盛りで仕事に忙しく、その子はまだ学生なので手もかかる。とても親まで気が回らないという状況だったでしょう。

 

それから10年もたてば仕事や子育てが一段落して、親孝行をする余裕が生まれてくるのですが、そのときにはもう親はこの世にいない。「親孝行、したい時分に親はなし」は「さりとて、墓に布団は着せられず」と続くようですが、「何の孝行もできなかった」と後悔した人が多かった時代だと思います。

 

超高齢社会が到来した今は、いわば「親孝行、したい時分に”親がいる”」時代です。

 

60歳代で退職した人の親は80歳代になっていますが、衰えはあるものの多くは自立して暮らしており、昔のように亡くなったから親孝行ができないということはありません。超高齢化は親孝行を可能にしたとも言えます。

 

しかしながら、昔と違うのは都市化、核家族化によって親とは遠く離れて住んでいることが多く、近くにいるからこそできる手助けや三世代の団らんといったような親孝行はなかなかできません。

 

田舎にいる親のほうがお金を持っていますから、仕送りなどは大した親孝行になりませんし、都会に住んでいるから何かとお金がかさんでしまう子に経済的な支援は難しいケースが多いでしょう。

 

現在の高齢者は、高齢期を高齢者だけで20~30年過ごすことになった初めての世代であると述べましたが、子ども世代も同様に、離れて暮らす親が20~30年生き続けることを経験する初めての世代と言えます。

 

現在の高齢者にロールモデルがないのと同じく、子ども世代にもロールモデルがありません。したがって、離れて夫婦で暮らす親、あるいは一人暮らしをする親に対して、どのように対応すればよいのか、相当に迷いがあるのだと思います。

次ページ「親を放ったらかす罪悪感」本当は持たなくてよい?

本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『年寄りは集まって住め』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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