(※画像はイメージです/PIXTA)

筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏は著書『新訂版 発達障がいに困っている人びと』のなかで、発達障がいとどのように向き合うべきかを記しています。発達障がいは治療ができない難病ではありません。本記事では、発達障がいを抱える子をはじめ、子どもへ「睡眠が与える影響」について解説していきます。

「夜の11時にコンビニに…」“夜型の子ども”誕生のワケ

エジソンの電気の発明に始まり、我々は科学技術の発達により24時間いつでも生活できるようになりました。社会が全体的に夜型になっており、夜の11時に親子連れがコンビニに買い物に来ている姿を見ても平気な世の中になっています。

 

そのため、お子さんの多くはサーカディアンリズムが崩れており、REM睡眠とNREM睡眠が周期的に十分に訪れるような睡眠をとっていないのです。

 

昔は、夜の9時を過ぎると面白いテレビ番組もなくなり、子どもは寝るしかありませんでした。また、日中、外で思いきり遊び、夜はそのまま布団に「バタンキュー」となるような状況だったように思われます。

 

日中の活動性を高め太陽の光を浴び、夜は電気を消して早く寝るという昼夜の区別をきちんとつけたリズムが今の子どもたちには重要なのです。そのためには、親御さんの努力が必要です。

 

お子さんが、夜、一人で勝手に寝ることはほとんどありません。親御さんが寝るように促し、寝かしつけることでお子さんは眠るのです。だからこそ、親御さんがお子さんの睡眠時間をしっかりと守ってあげることが大切なのです。

 

お子さんを早く寝かせるコツは、時間を守ることを徹底させることです。まず朝早く起こし、ゴミ捨てなど家の手伝いをさせ、日中の活動を多くして、テレビやゲームは合計2時間以内にして、景色の良いところを散歩するなど日中の活動を増やします。最近は、この朝早く起こすことがゆるくなっています。

 

特に夏休みなどの長期休暇では、子どもが家にいるため母親はイライラしがちです。昼食も作らなければなりません。子どもがうるさいと、朝は寝かせておいた方が母親は楽なので、起こさない親も多くなっています。

 

そこで「時差ボケ」が生じてきます。もともと環境の変化に弱い自閉スペクトラム症の子どもたちが自ら睡眠環境を乱しているのです。つまり、長期休暇による時差ボケを予防するためには、初めからいつも通りに、まず朝早く起こすことが重要なのです。

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『新訂版 発達障がいに困っている人びと』より一部を抜粋したものです。最新の税制・法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

新訂版 発達障がいに困っている人びと

新訂版 発達障がいに困っている人びと

鈴木 直光

幻冬舎メディアコンサルティング

発達障がいは治療できる 診断、対処法、正しい治療を受けるために 書版が出版されてから4年、時代の変化を踏まえて最新の研究データを盛り込み、大幅な加筆修正を加え待望の文庫化。 “「発達障がい」は治療ができない…

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