投資初心者のなかには「投資の基本は長期・分散・積立」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。ただ、この言葉の「本当の意味」を正しく理解できていない人も多いと、株式会社sustenキャピタル・マネジメントCEOの岡野大氏と同社CIOの山口雅史氏はいいます。長期・分散・積立をそれぞれ正しく理解したうえで、リスクを抑えた資産運用の方法をみていきましょう。

「長期・分散」の性質をさらにわかりやすく

投資をサイコロに例えると分かりやすいかもしれません。サイコロの目の数字の大きさをリターンと考えるとサイコロの期待リターンは3.5です。3.5は1~6の目の合計を6で割った数字です。

 

長期投資は10年以上、毎年サイコロを振り続けることに似ています。何回か振っただけではその平均値は3.5から大きく外れる可能性が高いですが、10回、数十回と振り続けていけば、ばらつきが減って平均値は3.5に近づいていきます。

 

分散投資は一度に振るサイコロの数を増やすことです。1個だけ振るときよりも2個、2個よりも3個を同時に振ったほうが、出る目の合計を平均した数はばらつきが減って3.5に近づいていきます。

 

長期と分散は目指しているところが同じなので、サイコロを振る回数(期間)を増やし、同時に一度に振るサイコロの数も増やせば、長期×分散でさらにばらつきを抑えて、平均値を期待リターンである3.5に近づけていくことが可能です。

 

積立投資の目的

一方、積立投資は購入するタイミングを分散することです。「安く買えるか、高く買ってしまうか、最適な買いタイミングを事前に知ることはできないので、高値つかみを避けるために一定金額を買い続けましょう」と提唱されているケースをよく見かけます。

 

価格が高いときも安いときも買い続けることで、平均購入単価は最高値と最安値の間に収れんしていきます。

 

言い換えると、買値のばらつきを抑えられるということになります。一括購入に比べて高値つかみの可能性を減らせるのがメリットですが、すぐに投資に回さずにあまりに待機資金を大きくし過ぎた場合には投資機会を逃しているという側面もあります。

 

 

岡野 大

株式会社sustenキャピタル・マネジメント 

代表取締役 最高経営責任者 CEO

 

山口 雅史

株式会社sustenキャピタル・マネジメント 

代表取締役 最高投資責任者 CIO

 

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※本連載は、岡野大氏、山口雅史氏の著書『最新の金融工学でかなえる 理想の資産運用』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

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