物件の詳細を把握できる、投資額の回収効率が良い……こうした理由から、不動産投資を行う際に土地から購入し、新築の物件を建てるケースは少なくありません。ただし、初心者がこの方法で投資を始めると失敗しやすいと、株式会社有栖川アセットコンサルティング代表取締役の鈴木子音氏はいいます。土地購入後にマンションを建築した不動産投資初心者の経営者Dさんの事例から、この投資法に潜む落とし穴をみていきましょう。

初心者が物件を新築すべきでない理由

立地の判断が難しい

初心者が新築を計画すべきではない理由の一つに、立地の判断が難しいことが挙げられます。この事例では賃貸住宅の運用に不慣れであったため、見積もりや設計のマイナスポイントに気がつくことができず入居者付けに苦労しましたが、そもそも土地の用途を見誤るケースもあります。土地それぞれに求められる物件は異なります。

 

例えば、居住用の好立地に事務所仕様のビルを建築してしまったり、飲食店のテナントに向いた立地なのに重飲食不可の設備にしてしまったりすると、せっかくの土地がもっているポテンシャルを最大限に活用することができなくなってしまいます。

 

建築過程の設計や施工を正確にチェックできない

また、もう一つの理由として不動産の初心者では、建築過程の設計や施工を正確にチェックできないことが挙げられます。事例では、設計内容を精査せずに建設したことで結露が発生したように、見積もりや施工内容を確認する能力がない場合は、仕上がりトラブルや高値での発注につながります。

 

建築やリフォームを行う際には、数百もの項目について、内容ごとに価格の妥当性の判断を行わなければなりません。これらは専門の不動産会社や、実務経験を積んだ不動産投資家でなければ、まず内容を理解することができません。

 

これらの理由から不動産投資の初心者の場合は新築を避け、これまでの管理状況に問題のない中古物件か、もしくは信頼できるディベロッパーによって建築された新築物件の購入を念頭に物件探しをするべきです。

 

 

鈴木 子音

株式会社有栖川アセットコンサルティング

代表取締役
 

 

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※本連載は、鈴木子音氏の著書『不動産投資で組み立てる 富裕層のための資産防衛戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

不動産投資で組み立てる 富裕層のための資産防衛戦略

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鈴木 子音

幻冬舎メディアコンサルティング

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