「認知症=怖い」はもう古い。医療・介護・福祉・高齢者問題をテーマに活躍、多数の著書を持つジャーナリストと、メディアや新聞各社でも多数活躍する司法書士との共著『認知症に備える』より、そもそも認知症とはなんなのか、認知症になったらどんなことに本人が困るのか、もしくは困らないのか、どのような制度が利用できるのか等、すぐ実生活に活かせるようなヒントを、以下抜粋して紹介する。
「認知症とともに生きる希望宣言」
認知症の本人たちが2018年11月に表明した「認知症とともに生きる希望宣言」には、「一足先に認知症になった私たちからすべての人たちへ」として、次のようなメッセージが記されています。
私たちは、認知症とともに暮らしています。日々いろんなことが起き、不安や心配はつきませんが、いろいろな可能性があることも見えてきました。
一度きりしかない自分の人生をあきらめないで、希望を持って自分らしく暮らし続けたい。次に続く人たちが、暗いトンネルに迷い込まずにもっと楽に、いい人生を送ってほしい。
私たちは、自分たちの体験と意志をもとに「認知症とともに生きる希望宣言」をします。
この宣言をスタートに、自分も希望を持って暮らしていこうという人、そしてよりよい社会を一緒につくっていこうという人の輪が広がることを願っています。
認知症の検査で最初に使われる「長谷川式簡易スケール」の考案者でもある認知症の専門医、長谷川和夫さんも認知症になりました。
2021年11月に92歳で亡くなった長谷川さんは、「認知症になった自分のいまを伝えたい」と取材に積極的に答えたり、全国で講演を行ってきました。その長谷川さんも『ボクはやっと認知症のことが分かった』など、認知症になってから何冊かの本を出版しています。
全国の図書館では、こうした認知症の本人の書いた本や認知症に関する本を集めたコーナーをつくるところが多くなりました。本人の声を聞くことから、認知症を知る私たちの新しい旅が始まります。
ジャーナリスト、ノンフィクションライター
1949年、長野県生まれ。雑誌編集者を経てライターに。人物インタビュー、ルポルタージュを書くかたわら、海外を取材し、『ユリ─日系二世ハーレムに生きる』(文芸春秋)などを出版。認知症になった友人の介護を契機に医療・介護・福祉・高齢者問題にテーマを移し執筆。全国で講演活動を続けるほか、東京都世田谷区でシンポジウムや講座を開催。住民を含めた多職種連携のケアコミュニティ「せたカフェ」主宰。世田谷区認知症施策検討委員。近著に『おひとりさまでも最期まで在宅』『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(いずれも築地書館)、共著『認知症に備える』(自由国民社)など多数。
著者プロフィール詳細
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連載「認知症=怖い」はもう古い!70代の足音が聞こえてくる前に、心と環境の準備のススメ
司法書士 村山澄江事務所 代表
介護や相続の『まさか』をなくすことがミッション。おばあちゃん子だったことがきっかけで、高齢者家族のサポートに注力。【略歴】1979年名古屋生まれ。2003年司法書士試験合格。2010年独立開業。2018年「AI相続®︎」 の立ち上げに参画。2020年株式会社エラン(東証プライム上場)「キクミミ」監修者に就任。認知症対策の相談数1300件以上。家族信託・成年後見の専門家として活動中。【メディア掲載等】日本経済新聞・日経ヴェリタス・読売新聞・朝日新聞。中央経済社「旬刊経理情報」。早稲田学報。週刊現代。週刊エコノミスト etc.【書籍】『今日から成年後見人になりました』(自由国民社)、『認知症に備える』(自由国民社)。【講演】各自治体、ハウスメーカー、生命保険会社、不動産会社、介護事業所、教会などで延べ3,000名以上へ講演。
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