(※画像はイメージです/PIXTA)

難関校を目指す子どものほとんどは塾に通っています。ですが、これが「アタフタさん」を作ってしまう原因になり得るのです。塾の宿題が多すぎると子どもは、毎日「アタフタ」しながら勉強を繰り返しているのです。そんなとき親はどうすればいいのでしょうか。プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康氏が著書『難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

宿題の問題を「○△×式」で分類する

しかし、限られた時間の中で、取り組む必要のない問題まですべて解こうとすれば、毎日がタイトになっていくのは当たり前です。

 

この「○△×式」を用いると、宿題も分類できます。子どもが塾で×印をつけてきた問題は、今は取り組まなくてもいい問題です。

 

ですから、宿題に含まれる×印に似たタイプの問題は、小4ならば後回しに、小5以降は「やらなくてもいいんじゃない?」と声をかけます。

 

小4の塾の宿題はこなせる量ですので、後回しにしながらもやり切るのが基本ですが、やり切ることだけを目的にせず、この時期こそ「○△×式」を習慣づけてください。

 

印をつけるという作業は、「同じ問題が次に出ても正解できる?」と自分に問いかけ、「絶対に大丈夫」「ちょっと自信ないかも」「ぜんぜんダメ」などと自分で答えることで成立します。つまり、「考える・スローの作法」のところでお話しした「自問自答」につながるのです。

 

親子で「△印が大事」ということを共有できていれば、△印を中心に学習を組み立てていけばよいわけで、小5以降は宿題の量を調整できます。子どもが自分で「×印はやらない」と決定してもいいし、親御さんが「やらなくてもいいよ」と言ってあげることもできます。

 

「○×△式」をできるだけ早く習慣づけておくことが、親御さんに取り組んでいただきたいことなのです。

 

小6から「〇△×式」を急いで始めようとしてよく見られるのが、子どもが自分に嘘をつくケースです。○印や×印をつけて、△印を減らそうとするのです。このように追い詰められてからではなく、余裕があるときに始めると自問自答力も同時に養われていきます。

 

ただし、授業中に印をつけろと言っても、すぐにできる子はまずいません。おそらく、はじめのころは最初の1、2問には印がついているけれども途中から忘れている、というのが普通です。

 

そのときは、まずは印をつけたことをしっかり認めてあげたうえで、「途中で忘れちゃったんだね。授業を聞いていたんだもんね」から始め、「じゃあ次は真ん中の問題のところまでつけられればすごいね」という具合に、「印をつけよう!」という気持ちを伸ばしていきます。

 

大切なのは、○印を褒めて×印を叱るということではなく、△印を中心に学習計画を組み立て、受験勉強を「スピーディー」一辺倒から「スロー」へと導いていくことです。

 

「○△×式」は主に算数で用いますが、どの科目にも有効です。

 

 

西村 則康

プロ家庭教師集団「名門指導会」代表

 

 

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※本連載は、西村則康氏の著書『 難関校合格のすごい勉強習慣』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

西村式中学受験小4~小6で差をつける 難関校合格のすごい勉強習慣 受かる子・受からない子の違いは「スピーディー&スロー」学習法

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西村 則康

日本能率協会マネジメントセンター

難関校が求める「難問に向き合ったときでも試行錯誤できる子」「自分の頭で考えられる子」を育てる。スピーディー学習、基本的な処理能力を身につけるトレーニング、スロー学習、「いつもどおり」の安定した行動をとらせるため…

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