8割の中小建設会社がやっていない、建設業のキホン【専門家が解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

近年、建設需要の増加により、業界は好景気の明るい見通しです。しかし、これが中小規模の建設会社にとって追い風になるかは疑問です。大手と中小間で利益格差が生じ、逆風に転じる可能性を十分に秘めているからです。原価管理システムの開発・提供をしている三國浩明氏が、生き残りをかけて、さまざまな見直し・改革が必要な建設会社に必須の「原価管理術」を解説します。

決算期以外は利益がでているか把握してない企業が8割

受注があるといっても会社が儲かっているとは言い切れません。

 

工事が順調に進んでいたとしても一概に儲かっているとはいえず、どれだけ売上や受注があっても原価が上回れば赤字になります。

 

儲かっていると言い切れるのは、利益を確実に出せるよう実行予算の計画を立て、その予算内で工事を進めているときだけです。

 

原価管理を行わないのであれば、年に1度の決算期や税務申告の時期を迎えるまでは自社が儲かったかどうかを把握するのは不可能です。

 

自社が儲かっているかも分からない状態で会社経営を続けるのはとてもリスクが高いといえます。

 

本来、利益がなければ人を雇ったり機械を買ったりといった投資をすることは困難です。にもかかわらず、簡単にお金を使う建設会社が多過ぎるように感じます。

 

そうした会社の多くは金融機関の融資に頼っているのが実情で、融資が続けば経営を続けることはできますが、金融機関がいつまでも融資をしてくれるとは限りません。

 

特に赤字が続けば融資の条件が悪化し、最悪の場合は融資を打ち切られる可能性さえあります。

 

一方、多くはないと思われますが、原価管理をせずとも結果的に利益を出している会社もなかには存在します。

 

この場合もやはり原価管理を取り入れて業務改善すべきです。利益には納税がセットになってついてきます。

 

ということは、決算期末を迎える前に利益の見込みが立っていればさまざまな節税策を打てる可能性があります。工事の生産性をあげるために設備投資を行ったり社員の採用をしたりすることで、利益を圧縮して節税できるかもしれません。

 

そして設備投資や人材への投資は将来の利益を生む可能性がありますから、節税効果のみならずさらなる利益アップを見込める可能性もあります。

 

原価管理をしていれば、さらに儲けることができるということです。

 

現実には実行予算の計画を立てない建設会社は数多くあります。おそらくは全体の2割くらいの会社だけが実行予算を立てており、大半の建設会社はどんぶり勘定で経営を続けています。

 

計画を立てるだけで残り8割の建設会社よりも優位に立てるということです。

 

イノベーティブな技術開発や大きな工事の受注といった特別なことをしなくても、実行予算をしっかり立てれば確実に利益は増えます。

 

実際に私は「予算を立てる」というただそれだけの行動だけで利益率を改善した会社を数多く目にしてきました。まずは社員の「予算」への意識が大事なのです。

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    株式会社建設ドットウェブ 代表取締役
     一般社団法人原価管理研究会 代表理事

    高校卒業と同時に土木建築会社に就職するも、コンピューター業界に未来を感じ退職。その後、松下電器産業(現パナソニック)グループのコンピューター販売部門に入社し、30年にわたり建設会社へのシステム化を行う。2001年、建築業界向けの原価管理システムを開発・提供するために起業。業界導入実績ナンバーワンを記録している。

    また、税理士や金融機関に向けて、中小建設会社の経営ノウハウをeラーニングで発信する原価管理研究会を2019年に発足。代表理事を務める。

    著者紹介

    連載中小企業が「赤字体質」から脱却する、シンプルな方法【建設業編】

    利益を生み出す建設業のための原価管理術

    利益を生み出す建設業のための原価管理術

    三國 浩明

    幻冬舎メディアコンサルティング

    大手電器メーカーのコンピューター販売部門に30年間務めるなかで、建設会社への原価管理システム供給の必要性と将来性を感じ、起業。業界導入実績ナンバーワンを記録した、原価管理システムを提供している著者が、長いキャリア…

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