食前、食後、どっちが快適に運動しやすいか
▶Q:運動するならどっち?
A:食前。お腹がペコペコ状態でエネルギーを使い切る!
B:食後。食べた分のカロリーを使ってなかったことにする!
正解はこっち! AもBも両方アリ!
■運動は「自分に合うタイミング」で続けることが大切です。
今ついている脂肪を落とすなら食前(空腹時)、食べたものをすぐに消費したいならば食後。つまり、両方にメリットがあります。
空腹時に運動すると脂肪の燃焼率が高まる、という話をみなさんも耳にしたことがあると思います。筋肉を動かすためには糖が必要です。しかし、空腹時は体を動かすために使われる“第一のエネルギー”である糖が体内に不足しています。
そのため、空腹時に有酸素運動をすると、血液中の糖質だけでは体を動かすために必要なエネルギー生産が追いつかなくなり、結果、脂肪を分解してエネルギーを生みだす、と考えられています。
ただし、お腹がペコペコの状態で長時間の有酸素運動をすると、エネルギー不足から糖新生を起こし、筋肉量が減る恐れがあります。また、単純にやる気の喪失や長時間動けないなどの理由で運動時間が短くなり、最終的には効率が悪い場合もあります。
まさに私がそうで、空腹でランニングに出るとずーっと食べ物のことばかり考えてしまうタイプ。イライラも募り、結局、短時間で終わらせてしまいます。
空腹だと運動時間が短くなるタイプの人は、いくら脂肪燃焼率がいいとわかっていても、しっかり食べてから有酸素運動、のプランが体に合っています。
一方、食後は食べたものが分解され、血液中には“第一のエネルギー”、糖が充実しています。このタイミングで体を動かせば「糖を優先的に筋肉に送り、使ってしまいなさい」と糖の代謝を調節するホルモン(インスリン)が指令を出します。すると、体は糖をバンバン使い、脂肪に分配される糖が減るので、脂肪がつきにくくなるのです。
逆に「食べ過ぎた~!」といってゴロンと横になれば、筋肉が糖を必要としない分、糖はどんどん脂肪細胞に運ばれます。
昔から「食べたあと、横になると牛になる」といわれますが、本当に牛になります(笑)。ちょっとした食べ過ぎを「なかったこと」にするには、食べたあとの行動が一番重要。血糖値の上昇は多少個人差がありますが、食後30分程度でもっとも上昇します。そのタイミングで筋トレや有酸素運動を行いましょう。
運動の内容は、何度かお伝えしているように、下半身を中心に使った種目を選ぶと糖を効率よく消費できます。運動に限らず風呂や部屋の掃除をする、歩いて買い出しや遊びに出かけるのもいいでしょう。
「食後は2時間開けないと運動してはダメ」とよく言われますが、それはアスリートがやるような限界まで追い込む運動の場合。一般の方は30分後であれば問題ありません。歩いたり、走ったりしてわき腹が痛くなる方は、速度を少し落とせば回復します。
とはいえ、なかには食事を摂ると動けない、という方もいると思います。
伝えたいのは、食前でも、食後でも、間違いなくメリットはあるということ。自分はどちらのほうが快適に、しっかり運動できるのかを考えて、運動のタイミングを選びましょう!