マンション管理組合との上手な付き合い方
■建物管理の健全性を確かめる7つのチェックポイント
マンションの資産価値を保つうえで欠かせない「建物管理」についてもお話しします。建物管理は、マンションのオーナーで結成される管理組合が主体となり、決定事項の管理実務を委託する建物管理会社が実行することです。実際にどのような建物管理が行われたかについては、年に一度送られてくる管理組合総会の議案書で確認することができます。
総会の議案書は、開催日の約1~2週間前にオーナーの自宅に届きます。議案書が届いたら次の7つのチェックポイントについて確認を行いましょう。
▶建物管理の健全性を確認する7つのチェックポイント
①管理費会計・修繕積立金会計それぞれに収支表や賃貸対照表があるか
②銀行口座の残高証明書は添付されているか
③監査報告書に監事の署名捺印はあるか
④赤字決算になった際には原因が報告されているか
⑤組合のお金の管理について、通帳と印鑑が別々に管理されているか
⑥管理費・修繕積立金の滞納状況(未収金)は報告されているか
⑦ 現在の修繕積立金の残高などを考慮して修繕計画が立てられていることが、きちんと説明されているか
年に1回とはいえ、プライベートの時間を割くことに「めんどくさいな」と感じられる方も多いと思います。確かにオーナーのなかには、管理組合へ積極的に参加していない方が多いことも事実です。
しかし、これはマンションの資産価値を維持・向上させるという意味では非常に危険な行為です。過去には、管理組合が積極的ではないことを理由に、建物管理を放置していた管理会社がありました。健全な建物管理が行われないと、修繕されるべき箇所が修繕されず、ずさんな資金計画で、いざ大規模修繕を行おうとしても十分な資金がたまっていない、なんてことも起こってしまいます。
一度、荒廃してしまったマンションをよみがえらせるのは簡単なことではありません。老後の資産計画がすべて頓ることになりかねないのです。大切なマンションの資産価値を落とさないためにも、積極的に管理組合に参加し、建物管理をチェックするようにしましょう。
重吉 勉
株式会社日本財託 代表取締役社長
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