資産運用会社が注目…優良企業かどうかを判断する「カーボンハンドプリント」とは (※写真はイメージです/PIXTA)

企業の「脱炭素」に向けた取り組みについて、「二酸化炭素の排出をどれほど防ぐことができたか」を判断するカーボンハンドプリント。これからの時代に「魅力的な成長が期待できる企業かどうか」を判断するための優れた指標だと、アライアンス・バーンスタイン株式会社の責任投資ヘッド、臼井はるな氏はいいます。資産運用会社が注目する「次世代の銘柄選定指標」について、詳しくみていきましょう。

カーボンフットプリントの利点と課題

脱炭素に向けた企業の取り組みを評価する代表的な指標に「カーボンフットプリント」があります。

 

商品やサービスの提供に排出される温室効果ガス(GHG)を二酸化炭素に換算したもので、その範囲は原材料の調達から生産、流通、廃棄やリサイクルにあたるライフライクル全体におよびます。

 

カーボンフットプリントの少ない企業は、いわば“脱炭素の優等生”として評価され、この指標を通じた選考基準で株式を運用するファンドも多々存在します。

 

カーボンフットプリントには排出される二酸化炭素の「見える化」という利点がありますが課題もあります。

 

たとえば、算出そのものがそれほど簡単ではない点や、企業への影響のすべてを語るものではなく、ときに誤解を招く可能性もあることです。そもそも単に二酸化炭素排出量を削減するだけでは、気候変動への取り組みには役立たないケースもあるのです。

 

これからは二酸化炭素を“どれだけ排出しないか”というマイナス評価だけではなく、“どれほど排出を防ぐことができたか”というプラス評価も検討すべきだと思われます。

 

そこで目を向けているのがカーボンハンドプリントです。

 

製品を使うことで炭素量を減らす

カーボンハンドプリントとは、その企業の製品を使用することによって回避される炭素の量を測定するものです。

 

気候変動問題に対する解決策を表しているため、クリーンエネルギーやリサイクル、輸送、エネルギー効率といった企業群の評価が高いのが特徴です。

 

具体的な企業の事例で、カーボンハンドプリントを解説しましょう。

 

たとえば、フィンランドの石油精製会社であるネステは、廃棄物である残滓油や植物油から再生可能なバイオディーゼル燃料の製品開発に力を注いでいます。

 

その結果、同社が年間に排出する温室効果ガス、つまりカーボンフットプリントの3倍もの二酸化炭素排出の回避につながっています。

 

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    アライアンス・バーンスタイン株式会社 責任投資ヘッド

    2018年に運用戦略部のクレジット・スペシャリストとして入社。2020年より責任投資推進室長を兼務した後、2022年より専任の責任投資ヘッドに就任しESG関連の取り組みを統括。

    入社以前は、野村アセットマネジメント株式会社にてエクイティ・アナリストおよびクレジット・アナリストとして証券分析業務に従事。うち7年間は、ノムラアセットマネジメントUKリミテッド(在ロンドン)にて勤務。

    慶應義塾大学経済学部にて学士号、米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院にて経営学修士号(MBA)取得。日本証券アナリスト協会 認定アナリスト

    著者紹介

    連載【アライアンス・バーンスタイン】新たな時代における「責任投資(ESG)」の重要性

    【ご注意】
    ※本稿は、ABのリサーチブログ「知の広場」の「カーボンハンドプリント-炭素排出をどれだけ回避したか?気候変動の改善に着目した新しいアプローチ」を参考に、再編集したものです。詳細については当該ブログをご覧ください。
    本文中の見解はリサーチ、投資助言、売買推奨ではなく、必ずしもアライアンス・バーンスタインポートフォリオ運用チームの見解とは限りません。本文中で言及した資産クラスに関する過去の実績や分析は将来の成果等を示唆・保証するものではありません。
    当資料は、2022年3月28日現在の情報等を基にアライアンス・バーンスタイン・エル・ピーが作成したものをアライアンス・バーンスタイン株式会社が再編集した資料であり、いかなる場合も当資料に記載されている情報は、投資助言としてみなされません。当資料は信用できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するものではありません。当資料に掲載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありません。また当資料の記載内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なしに変更することがあります。当資料で使用している指数等に係る著作権等の知的財産権、その他一切の権利は、当該指数等の開発元または公表元に帰属します。当資料中の個別の銘柄・企業については、あくまで説明のための例示であり、いかなる個別銘柄の売買等を推奨するものではありません。

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