高齢になるほど広がる差…年をとって「幸せな人」「幸せじゃない人」の決定的な違い (※写真はイメージです/PIXTA)

人生100年時代。NPO法人「老いの工学研究所」理事長の川口雅裕氏は、書籍『年寄りは集まって住め』のなかで、「高齢者の幸福感」について解説しています。

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健康、お金、親子関係…「高齢期の幸福について」

「老いの工学研究所」では、2013年に高齢者の幸福感について調査を行いました。その調査では、現在の幸福感だけでなく、40歳代からの人生を振り返って、各年代の幸福感についても点数をつけてもらいました。結果は[図表1]の通りです(※回答者の平均年齢…男性 72.8歳、女性 69.4歳)。

 

[図表1]各年代の幸福感

 

「幸福感が高い」の欄は、現在の幸福感を80点以上とした人の平均点です。幸福感の高い人の平均点は現在が91.9点ですが、40歳代のときは75.9点で、そこから徐々に上昇していっています。「加齢のパラドクス」通りのことが見て取れます。

 

一方の「幸福感が低い」は、現在の幸福感を80点未満とした人たちの平均です。幸福感が低い人たちの平均は現在が58.5点。40歳代のときが66.0点でした。歳を重ねても幸福感が上がっていかず、現在の幸福感は40歳代の頃よりもやや低くなっています。

 

また、40歳代時点で「今、幸福感が高い人」と「今、幸福感が低い人」の幸福感の差は9.9点ですが、年代が上がるとともにその差が開いていっていることが分かります。

 

なぜでしょうか。

 

幸福感は主観的なものですから、今、幸福に感じている人が今と比較して「昔は苦労した、大変だった」と考えがちで低い点になっているのかもしれませんし、今、幸福感の低い人が「昔のほうが良かった」と考えて高い点になっているのかもしれません。いやもっとシンプルに、「健康面や経済的側面の差は、歳をとればとるほど差が広がっていくものだ」とも考えられます。

 

そうかもしれませんが、高齢期の幸福感の差は「その人の高齢期における活動状況や、物事の捉え方や考え方に大きく左右されるのではないか」とも考えられます。

 

先述の加齢のパラドクスを説明しようとしている6つの説にあるように、幸福感は、離脱・活動・継続に通じる生活をしているかどうか、最適化・発達・老年的超越といった精神的成熟を遂げているかどうかに大いに関係しているのではないかということです。

 

精神的成熟の点で言えば、幸福な人は、年とともに物事を前向きに柔軟に捉えたり、小さなことに感謝や感動、満足を覚えたりすることができるようになる。

 

一方で、幸福感の低い人は、若い頃のように、身体の衰えや生活環境の変化に不安や不満を覚え、嘆くばかりになってしまっているのではないでしょうか。

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本記事は幻冬舎ゴールドライフオンラインの連載の書籍『年寄りは集まって住め』(幻冬舎MC)より一部を抜粋したものです。最新の法令等には対応していない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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