日本各地に「使いようのない住宅地」が存在している
多くの不動産投資家たちは、「山林」と聞いて、そもそも投資の選択肢になるとは考えないのではないでしょうか。
でも、じつは山林に投資したほうがいい場合もあるのです。
日本のあちこちに、昔開発したものの、失敗に終わったニュータウンがあります。
地名を出すと差し支えがあるので控えますが、最近、あるニュータウンを見てきました。道路もしっかり整備されていて、土地もきちんと区切ってあるのですが、水道が引けなかったために、どこにも家が建っていない状況でした。
もちろんこれは、極端な例です。そのほかにも、水道は引いたものの、そのエリアには2〜3軒の家しか建っておらず、しかも法律が改正されたために、もともと家が建っていなければ家が建てられなくなったという場所もあります。
このように、さまざまな事情で「歯抜け」になっている分譲地が非常にたくさんあるのです。
そんな宅地が売れるかといえば、0円でも売れないでしょう。わたしがそのような宅地を引き取るなら、20万円から100万円くらいの「マイナス物件」として、つまり引き取り手数料をいただく形にするでしょう。もしくは、地元に根付いた形になるように不動産屋さんに紹介するでしょう(転売ではありません)。
つまり、売ってもプラスにならない住宅地が、日本全国にかなり存在するのです。1円でも売れない、0円であげると言われてもいらないような住宅地です。
ちなみに、固定資産税がかからない宅地はほぼありません。どれだけ歯抜けになっているちょっとした土地であっても、評価額が30万以上になれば、4000〜5000円の固定資産税がかかりはじめます。
さらに評価額が上がり、使い途がなくても100万〜200万円の評価がされてしまえば、年で3万円くらいの固定資産税を支払わなければいけなくなります。
家も建てられない。下水もない。未来もない。
そんな土地に、毎年3万円の税金がかかっているわけです。
3ha以内なら、まず固定資産税がかからない「山林」
一方で山林は、固定資産税がほとんどかかりません。
わたしのこれまでの経験でいえば、おおよそ3町(3ヘクタール)を超えなければ固定資産税はかかりません。
使い途のない、歯抜けの30〜40坪の宅地をひとつ持っているだけで年間数千円の税金を払うのに、3町の山林を持っていても税金がかからないのです。どちらに価値があると思いますか?
もちろん、その山林へのアクセスが極めて悪い、車を停められないといった事情であれば、一概にはいえません。
ただ、古い歯抜けの住宅地であっても雑草だらけでしょうし、車を停められるほどの余裕もないでしょう。結局は、地ならしをしなければいけません。
山林は基本的に1円で買っていますが、最近では山林ですらマイナス物件として手に入れられることも増えてきました。
1円やマイナスで手放してもらった山林が、50万円、100万円といった値段で売れることもあるのです。
「山林なんか持っていても、二束三文だ」
とはかならずしも言い切れないことを、知っておきましょう。
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