山林には価値がなく、そもそも投資対象外。そう考えている不動産投資家は多いと思いますが、そんな山林より始末に悪い戸建て住宅が全国にあることをご存じでしょうか。いまの不動産価格は、土地の評価額や路線価で決まるものではありません。これまでの常識で投資に踏み切ると、大きなリスクを抱え込むかもしれません。※本記事は『山王が教える1円不動産投資』(自由国民社)から抜粋・再編集したものです。

「競売物件は安い」というのは思い込み

「競売物件は、安いからおすすめ」

 

という話を聞いたことがあるでしょう。

 

でも、それもただの思い込みです。そもそも競売は、お金を回収するための手続きです。そう考えれば、決して安くは売らないものと考えられるのではないでしょうか。

 

競売物件の査定をするのは「不動産鑑定士」なのですが、彼らの考え方がいまとなっては古いのです。

 

路線価がいくら、建物が何年目といった基準で値付けをしているのですが、それはもう10〜20年前の考え方で、いまは状況が変わっています。

 

古いやり方で通用したのは、人口が増えていた時代のこと。人口が増えれば、当然買う人はいましたが、いまは人口減で買う人自体がいなくなっているでしょう。いまは、不動産鑑定士の常識は通用しない時代なのです。

 

いまの時代の不動産価格は、その物件に借り手がいるか、その物件を活用する人はいるか、その物件に住めるのか、といったことで決まります。

 

わたしも趣味で、ときどき競売物件の入札に応募しているため、全国の競売物件の情報を見ています。

 

実際に不動産鑑定士の評価書を見ると、最初に土地の評価額がどれくらいで、路線価がいくら、倍率がどれくらいといった数字が入っています。

 

でも、いまの不動産価格は、土地の評価額や路線価で決まるものではありません。「その物件を誰が借りて」「何人くらいの借りる需要があって」「賃料が5万円なのか7万円なのか、10万円なのか」を考えて、利回りを掛け合わせて計算すれば、実需に基づいた不動産価格が出てくるのです。

都市部の競売物件以外は「割高」と考えよう

地方の「〜市」ではなく「〜町」のようなところにある物件で、駅から車で20〜30分くらいかかる物件は、もう価値がないと言っても過言ではないと思いますが、路線価がついている場合があります。

 

その道路沿いにある1000坪の土地が、もし路線価が1坪1万円とすれば、鑑定士の評価では1000万円になってしまうのです。しかも汲み取り式で、価値があるとは思えない建物が建っているにもかかわらず、です。

 

この物件を1000万円で出したところで、売れるはずがありません。1円でも売れないのではないでしょうか。宅地が広すぎる、固定資産税もかかる、汲み取りの家なんて、買いたいですか?

 

もっとも、不動産鑑定士の人たちが悪いのではなく、その業界の慣習の問題でしょう。

 

もちろん、とくに都市部の競売物件のなかには安い評価がされているものもあります。都市部の物件は、実際の価値が評価額を上回っていることが多いのですが、都市部から外れた地方の物件は、評価額が実際の価値を圧倒的に上回っていることが多く見られます。

 

ですから、競売物件は安いというのは、思い込みです。しっかりと実際の価値を見極めて、割安な物件に申し込みたいものです。

 

 

永野 彰一
投資家 実業家

 

 

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山王が教える1円不動産投資

山王が教える1円不動産投資

永野 彰一

自由国民社

不動産投資の本当の相場は、巷でいわれている金額よりも、ずっと安いのが現実です。 全国で急増している激安物件への投資で確実に稼ぐ方法を、山(やま)投資の若き第一人者「山王(やまおう)」が教えます。

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