(※画像はイメージです/PIXTA)

先週の米ドル/円は、7月21日(木)の139円近辺から週末にかけて一時1ドル135円台まで円高が進みました。これにより米ドル陽線が7週連続でストップ、8週間ぶりの米ドル陰線引けとなりました。このようななか、マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏は、「米ドル高・円安トレンドが変化した可能性」を指摘します。詳しくみていきましょう。

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    「怒涛の円安」となったワケ…ユーロ安も一因か

    米ドル高・円安が140円に接近するまで続いた一因は、ユーロ/米ドルが1ユーロ=1米ドルといったパリティ(等価)割れを目指すといった象徴的出来事が米ドル高のリード役を担った影響もあったと個人的には考えています。

     

    そんな「パリティ割れ」も達成し、そして先週のECB(欧州中央銀行)金融政策会合では、事前の予想以上の0.5%利上げを決定しました。インフレ懸念が続くなか、それには悪影響となる通貨安、「パリティ割れ」といったユーロ安を阻止する狙いも、利上げ幅拡大の一因だったようです(図表4参照)。

     

    出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
    [図表4]ユーロ/米ドルと独米2年債利回り差(2022年5月~) 出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

     

    以上を整理すると、米ドル高をリードした実質的な要因である米金利上昇、そしてごく最近ではユーロ/米ドル「パリティ割れ」といった象徴的な要因。それらに変化の兆しが出てきたことは、米ドル高・円安トレンドの変化の可能性としても注目されそうです。

     

    以上を踏まえ、今週の米ドル/円は、134~138円中心の展開を予想します。

     

     

    吉田恒

    マネックス証券

    チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長

     

    ※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。

     

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