(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

外国人投資家の中国国債保有が5ヵ月連続減少

外国人投資家の中国国債の保有が5ヵ月連続の減少となったと、Bloomberg が伝えた。米国の金利上昇から中国国債の魅力が相対的に低下している事が主因と考えられる。

 

中国10年債利回りは、今年4月に米国10年債利回りを下回っている。中国人民銀行が発表したデータでも、海外投資家の中国国債保有は6月時点で、約2兆3,000億元(3,400億米ドル)と、5月時点の2兆3,800億元から減少した。

 

また、外国勢による中国国債売り越しは5ヵ月連続となった。

 

20日、中国人民銀行は政策金利となる最優遇貸出金利の据え置きを決定した。人民銀行としては、物価に上昇圧力がかかる中で、積極的な金融緩和姿勢を示すことには、抵抗感があるものと考えられる。

 

今後も欧米が積極的な金融引き締めの措置をとる中で、中国当局は景気減速リスクから、金融緩和政策を維持する可能性が高い。金利差からは、外国人投資家の中国国債売りや、為替相場での一段の元安が、リスクとなる可能性に注目したい。

 

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

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